遺品整理業

遺品整理の内容と「資格」

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遺品整理という言葉を聞いて、皆さんはどんなイメージを抱くでしょうか。
最初から良いイメージを思い浮かべる方は少ないでしょう。といっても、悪い印象を抱くことも、あまりないかもしれません。
近年「遺品整理」という言葉に注目が集まり、遺品整理業あるいは遺品整理士についてもメディアにより情報が発信されるようになりました。
しかし、まだその具体的な内容をご存知の方は少ないかと思います。そのため、遺品整理という言葉を聞いてもイメージが浮かびにくいかもしれません。
そんな方たちのために、遺品整理とは何か。遺品整理業者あるいは遺品整理士とはどんな仕事なのか、ここで遺品整理にまつわる「資格」とともにご紹介します。

遺品整理業者

なぜ遺品整理について説明するうえで「資格」を紹介する必要があるのか、と疑問に思う方がいるかもしれません。
結論からいえば、それが国家資格であれ、民間団体から受ける資格であれ、資格とは信用です。
どの団体から受けた資格なのかが明確であれば、依頼者に何が起こっても問い合わせ先や対応への不安は大きく減ることでしょう。
また、資格を持っていない業者とやり取りすることには、危険が伴うこともわかっていただけるかと思います。

たとえば、観光業界にも様々な資格があります。
旅行会社、観光ガイド、旅館やホテルなどは全てそれぞれ資格を取得しなければ、営業することができません。それは海外でも顕著です。
観光産業が国家そのものを支えているエジプトでも、観光ガイドの資格があり、現地で会った際にはガイドのライセンス証を提示し、自らが国家資格を有し、信頼のおけるガイドであることを証明する宣誓を行います。
日本国内で観光業に関する資格を持った会社が、現地でも資格を取得している観光会社、ガイド、ホテルなどを手配してくれるからこそ、我々は安心して海外を旅することができるのです。

遺品整理業でも同様のことが言えます。
ひとくちに「遺品整理」といっても、仕事内容は多岐に渡ります。そのほとんどは、専門的な知識や技術を必要とします。
それゆえに、専門的な知識と技術を持った者が取得できる「資格」を知ることが、遺品整理業界を理解するため、さらにいえば資格を持たない悪徳業者に騙されないための方法のひとつだと言えるでしょう。

遺品整理に関する6の業務と資格

遺品整理士

遺品整理士とは、遺品整理に関するコーディーネーターです。
下記の業務に関する資格を遺品整理士自身が取得している場合もありますが、そうでなければしっかりと資格を持った、信頼のおける各業者を手配することになります。
多岐にわたる業務内容と、それに伴う法的知識を持っていなければいけません。
その遺品整理士にも資格があります。
2011年に設立された「一般社団法人遺品整理士認定協会」が認定する資格がそれです。
民間資格ではありますが、設立当初から各業者から資格取得の問い合わせが多く、これまでに1万人以上の遺品整理士を世に送り出しています。
通信制の講座で、遺品整理士として必要な内容を学び、試験に合格した者が「遺品整理士」の資格を得ることができます。
遺品整理についてお困りのことがあれば、まずは遺品整理士、もしくはこの遺品整理士認定協会に相談してみるといいでしょう。

清掃業

遺品整理で最初に必要となるのが遺品の分別と、故人が住んでいた家や部屋の片付けです。
高齢者の孤独死や突然死が増加している現代社会では特に、「片付け」を超えた「清掃」が求められる現場もあるのは当然です。
この「清掃」にも清掃業に関わる様々な資格が存在しています。

建築物の清掃については、「建築物における衛生的環境を確保する法律」に基づき、都道府県知事の認可を受けた清掃業者しか行うことができません。
それは、清掃業では多種多様な薬品が使われることが要因でもあります。
いくつか例を挙げてみましょう。

■ ビルクリーニング技能士

公益社団法人全国ビルメンテナンス協会による試験に合格した者に与えられる資格です。
試験には筆記のほか、床・壁・窓などの清掃といった実技も含まれます。

■ 清掃作業監督者

上記のビルクリーニング技能士の資格を取得した者、厚生労働省が管轄する「建築物衛生管理技術者」の国家資格試験に合格した者のみが、講習会を受講することができます。
建築物清掃業として登録するためには必須の国家資格です。

このほか、ダクトや排水管の清掃、虫の駆除など多くの清掃業務にまつわる国家資格があります。

さらに「特殊清掃」と呼ばれる職種もあります。テレビのドキュメンタリーをはじめとして、多くのメディアで扱われたことにより、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
孤独死などで亡くなってからしばらくの間、遺体が放置されると、その部屋は臭いや汚れなど大きなダメージを負います。遺体そのものを処理する可能性もあります。
こうした清掃では強力な薬品を使用するため、業者には高い専門性を要求されます。
例を挙げると、物を溶かすための有機溶剤を扱う業者は、「有機溶剤作業主任者」という資格を取得しているスタッフがいなければなりません。

などなど、清掃業には数多くの国家資格がありますので、業者に依頼する際の参考にしてみてください。

遺品の鑑定・リサイクル

故人の遺品は遺族が引き取るものばかりではなく、価値の高いものは鑑定・査定のうえ業者に買い取ってもらうことも多々あります。
こうした中古品(古物)を売買するためには、(古物商)の認可を受けなければいけません。
それは美術品や装飾品、リサイクルショップ、金券ショップだけでなく、中古車店や古書店(古本屋)なども同様です。
かつて某有名オークション番組でも、テレビの企画とはいえ高額の品を扱うため、スタッフが古物商の免許を取得していた、という話もあるほど厳密なのです。

古物商免許を取得するためには、古物営業法に基づき、各都道府県の公安委員会の認可が必要となります。
必要書類を、警察署内にある窓口へ提出し、認可されれば「許可証」が交付されます。
古物商はそれぞれ、許可番号とともにその許可証を掲げて営業し、かつ買い取り時には売り手の身元確認や詳細の記録が義務づけられています(金額や品物によって異なる)。
なかには古物商の免許を持っていながら不正買い取りを行う業者も存在するのでご注意ください。
そのために遺品整理士認定協会では、「遺品査定士養成講座」も開講しています。

ごみ処理

遺品を遺族が引き取る物、業者に買い取りやリサイクルを依頼する物と分け、さらに廃棄するものが多ければこれも「ごみ収集業者」を探さなければなりません。
ごみ処理業者も当然、許可を得なければ営業できない職種です。家庭ごみは「一般廃棄物」、会社などが出すごみは「産業廃棄物」として、収集業者はそれぞれの認可を得る必要があります。
ただし、近年ごみ処理に関して大きな問題が発生しています。それは「不法投棄」です。

ごみ収集業者は各自治体の許可を受け、廃棄物をごみ処理施設、クリーンセンター、リサイクル施設などに運びます。この収集と運搬が業務であり、許可を受けなければならないものです。
それがここ数年、認可の制限やエコロジー傾向による廃棄物の現象など、ごみ収集業者にしてみれば喜ばしくない状況になりつつあります。
結果、そもそも認可のない収集だけでも違法なのに遺品整理業者や、ごみ収集業の認可を得られなかった者がごみを集めることで料金を要求することも少なくありません。
さらに認可のない業者は処理場まで廃棄物を運搬できないため、集めたごみを空き地などに捨ててしまう「不法投棄」が多発してしまっています。
また、こうした現象はごみ収集の認可を得ながらも、自治体から業務を依頼されることが少ない業者にも起こっているのは、悲しい現実です。

当然のことながら、上記のような不法業者ばかりではありません。一番の問題は、不法業者かそうでないか見分けることが難しい点でしょう。
このような場合はお住まいの自治体や、依頼した遺品整理士に相談してみることをお勧めします。

供養

遺品整理を考えるうで、忘れてはならないことがあります。
それは、遺品には故人の想いや歴史、人生が詰まっているということです。
特に遺品を業者に引き取ってもらう場合は、運搬の前に「物供養」を行いたいものです。

「供養」となれば、これまでご紹介してきた「資格を持った業者」と異なり、依頼するのは寺院や神社になります。
基本的にどんな物でも供養することはできます。ただし、もちろん費用はかかります。
まず遺品整理士であれば供養をお願いできる寺院や神社にツテがあるでしょう。
あるいは「一般社団法人供養コンシェルジュ協会」という団体もあります。ここで供養に関する相談もできます。
ただ、あくまでコンシェルジュ、つまり相談や手配を行う団体ですので、やはり供養を行うのは寺院や神社であることはご注意ください。

また「ごみ処理」にも関わることですが、遺品のなかでも仏壇や神棚の対処に困っている方もいるのではないでしょうか。
特に地方にお住まいの親御さんが亡くなった場合は、多いケースかと思います。
実は寺院や神社に、仏壇・神棚の引き取りをお願いすることもあるのです。あるいは、仏壇店に依頼することもあります。
そうなると、引き取りに加えて供養の費用もかかってきますので、まずは寺院・神社に問い合わせ、相談してみてください。

相続

さて、遺品整理として考えなければならない重要な問題として「相続」があります。
お金であれ、家であれ、どんな品であれ、故人の遺品には全て「相続」が関わってくることに気をつけてください。
故人の遺言書があればその内容にもよりますが、遺品を相続するか、あるいは放棄するかは、法律に則り3カ月以内に決定しなければいけません。
特に価値の高い美術品や装飾品、不動産には高額の相続税がかかってきます。

とはいえ、法律に関する資格は一番わかりやすいでしょう。
弁護士、司法書士、行政書士、または相続税については税理士に相談できます。
反対に専門家に相談しなければ解決しえないことは、言うまでもありません。

法律については市役所・区役所にも相談の窓口がありますし、供養と同様に相続に関して相談を受け付ける団体も生まれています。
最終的に業務を行うのは法律の資格を持った専門家になりますが、いずれにせよ専門家に相談するのが最も有益であるはずです。

正しい業者選びのために

最後に、遺品整理においては、故人に対する遺族の想いや、大切な人を亡くしたことで落ち込んでいる気持ちにつけこむ悪徳業者が存在します。
しかしながらそれは一部であり、ここまで見てきたように、遺品整理の主だった業務と業者には、法律とそれに則った資格が大きく関わってきます。
遺品整理士の資格を持っている業者も、各法令を遵守して業務を行います。
さらに、上記の各業者のなかから、遺品整理士の資格を取得する人たちも増加しています。

悪徳業者の取り締まり、行政による法的な改善は進んでいますが、やはり自己防衛策も頭に入れておくことは大切です。
そのために冒頭に述べたように、業務内容を把握したうえで、資格という視点から考えてみる。
これが悪徳業者に騙されず遺品整理を行うポイントになるのではないでしょうか。

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