デジタル遺品整理のために知っておきたいSNS別アカウント対処法

デジタル遺品整理のために知っておきたいSNS別アカウント対処法

FacebookやTwitter、LINEをはじめ、SNSが日常になくてはならないものになっている人は多いことでしょう。
パソコンやスマホで、たとえ地球の裏側にいる人とも瞬時に繋がれるSNS。
ブログやオンスタグラムなどは、身の回りのことを書いたり、ペットのかわいい写真をアップしたりなど、手軽に楽しめるアイテムです。

けれど、もし自分が死んだらSNSはどうなるのか、考えたことってありますか?
これまで交流してきた人たちとの繋がりはどうなるのでしょうか?
また、今までアップしてきた多くの写真は?

意外と知らないことが多い、SNSアカウントの行方についてお伝えします。

死後SNSのアカウントはどうなる?

「デジタル遺品」とは?

「デジタル遺品」とは何でしょうか?

デジタル遺品とは?

「デジタル遺品」とは、故人のスマートフォンやパソコンの中に遺されたデータのことです。
パソコンやスマホなどのデジタル機器は、一人に一台の時代。
インターネットバンキングや株券の電子化をはじめ、様々なサービスがデジタル化され、遺品整理界にも変化が起きています。

「うちの親は、インターネットやパソコンに疎いから関係ない」なんて思っていたら大間違いです。
写真や映像などをパソコンやスマートフォンに記録するだけでなく、デジタルカメラを楽しみ、SDカードなどへ記録している人も増えています。

生活のデジタル化が急速に進むなか

  • 「持ち主を失ったデジタル機器や利用しているサービスのアカウントやパスワードが分からずロックが解除できない」
  • 「故人から知らされていないネットサービスから連絡があった」

など、デジタル遺品に関するトラブルは多く発生しています。

デジタル遺品としては、次のものが挙げられます。

  • インターネットバンキングの口座や株券など資産価値があるもの
  • ハードディスクに保存された個人の文章、写真、作品など
  • オンラインゲームのアカウントなど

なかでも生活に密着しているのが、SNSやブログの記録ではないでしょうか?

近年、老若男女を問わず、多くの人がFacebookやTwitterなどに代表されるSNSに登録していたり、ブログを開設したりしています。

もしもSNSを通じてたくさんの人と交流をしていたり、ブログに多数読者がいたりする人が亡くなった場合、急に更新が途絶えてしまうと、多くの人に心配をかけることでしょう。

それだけならまだいいのですが、虚偽の情報を流されたり、悪意のある第三者がアカウントを乗っ取って故人になりしたりする可能性もあるのです。

死後はどうなる? SNSのアカウント

では、代表的なSNSのアカウントが、本人の死後にどのようになるのかみていきましょう。

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE
  • mixi
  • ブログ
  • YouTube およびGoogle 関係

Facebook

Facebookでは、登録している本人が亡くなった場合、追悼アカウント管理人を指名して追悼アカウントの管理を任せるか、Facebookからアカウントを完全に削除するかのいずれかを選べます。

アカウントを完全に削除する場合

登録している人が亡くなった場合、記録などを残しておく必要がなければ、アカウントを完全に削除することができます。

  1. Facebookの右上の をクリックして、[設定]を選択します。
  2. 左側のメニューで、[一般]をクリックします。
  3. [アカウントの管理]をクリックします。[アカウントの削除をリクエストする]をクリックして、画面の指示に従います。

この手順で、アカウントを削除することができます。

アカウントを残しておきたい場合

Facebookが、登録している人が亡くなったことを認識した時点で、自動的に「追悼アカウント」となります。
「追悼アカウント」とは、登録者が亡くなった後、友達や家族が集い、その人の思い出をシェアするための場所です。

デジタル遺品整理に役立つFacebookの追悼アカウント

亡くなった人のアカウントについて、友達や家族が追悼アカウントへの移行をリクエストすることもできます。

追悼アカウントに移行されると、プロフィールにあるアカウント所有者の名前の横に「追悼」と表示されます。

アカウントのプライバシー設定に応じて、友達は追悼タイムラインで思い出をシェアすることができます。

また、アカウント所有者がシェアしていたコンテンツ(写真や投稿など)はFacebookに残るので、シェアしていた相手は引き続きそのコンテンツを見ることができます。

追悼アカウントに移行された後もアカウントを管理できるように、追悼アカウント管理人を設定するとよいでしょう。

管理人は、アカウント所有者が亡くなったという旨の投稿をしたり、プロフィール写真を遺影に変更したりすることができます。
また、新しい友達リクエストの対応などもすることができます。

ただし、故人のアカウント自体にログインしたり削除したりすること、タイムラインの投稿を削除すること、アカウント所有者あてのメッセージを読むことはできません。

Twitter

Twitterは、「Twitterのプライバシーポリシーに関するお問い合わせ」というページからアカウントの削除ができます。

デジタル遺品整理でTwitterの対処は?

Twitterのユーザーが亡くなった場合、この専用フォームから、故人のアカウント、氏名、故人との関係など必要な情報を入力し申請します。

するとTwitter社から、リクエストを送信した人の身分証明書や、アカウント所有者の死亡証明書などの情報提供の依頼が送られてきます。

これらの手続きが完了すると、アカウントが削除できます。

Instagram

Instagramでは、登録している本人が亡くなった場合、アカウントを完全に削除してしまうか、追悼アカウントとして残しておくかを選べます。

アカウントを完全に削除する場合

デジタル遺品整理・インスタアカウントの場合は?

Instagramの「ヘルプセンター」から申請します。
氏名、メールアドレスなど必要事項を記入し送信します。故人のアカウントの完全削除は、故人の肉親しか申請できません。

追悼アカウントにする場合

インスタグラムの当伊藤アカウント

故人の家族または友達は、Instagramのヘルプセンターに故人の死亡を報告することで、追悼アカウントにすることができます。

死亡を証明できる書類について、例では“死亡記事”とありますが、一般人で新聞や雑誌に死亡記事が出ることはほとんどありませんよね。
ここでは画像ファイルを添付することができるので、死亡診断書・死亡証明書を写真に撮るかスキャンした画像を送信すればOKです。
この手続きにより、追悼アカウントはインターネット上に存在し続けます。

LINE

LINEの利用規約「4.アカウント」の項を見ると、4-7条において

LINEのアカウントは注意が必要です

「本サービスのアカウントは、お客様に一身専属的に帰属します。お客様の本サービスにおけるすべての利用権は、第三者に譲渡、貸与または相続させることはできません」

とあることから、LINEのアカウントを他のユーザーが使うことはできず、Facebookなどのように追悼アカウントを他人が管理するということもできないようです。

また、4-5条で

「4.5. 当社は、最終のアクセスから1年間以上経過しているアカウントを、あらかじめお客様に通知することなく削除することができます」

と定めていることから、アカウント所有者が亡くなり、利用がなくなれば、LINEの判断によってアカウントが削除されるようです。

LINEでは、本人がアカウントを削除しない限り、第三者が管理したり取り扱ったりすることはできません。

mixi

mixiには、Facebookなどのような追悼アカウントの機能はありません。
アカウント所有者が亡くなった場合、親族からの申し出によって削除・や凍結などの対応を行います。
その際には、他SNSと同様に、死亡証明書や除籍謄本など、亡くなったことを証明する文書が必要です。

mixiでは、死亡などの場合の手続きページがないため、個別で問い合わせます。

ブログ

デジタル遺品でブログのアカウントは重要になります

日々の出来事や思ったこと、知識などの蓄積であるブログ。これまで書き溜めた内容を残しておきたいと思う人は多いでしょう。

ブログには有料のものや無料のもの、プロバイダー系、ソーシャルサービス系と、様々なものがあり、死後のアカウントの扱いにも違いがあります。代表的なものをみてみましょう。

アメーバブログ

利用規約第8条によれば、登録者が死亡した場合、会社の裁量によって事前通告なくに利用停止や退会処分などになります。
また、本人の利用のみ認めているため、ブログの譲渡はできません。

利用者側から退会の申請をする場合は、お問い合わせフォームから、遺族のみ、本人確認をした上で申請することができます。
FacebookやTwitterのように故人アカウント専用の問い合わせフォームはないため、個別での問い合わせが必要です。

So-netブログ

基本的に、ブログを他の人が引き継ぐことはできません。
ただし、有料会員の場合は、その二親等以内・18歳以上の人であれば、名義を変更すればブログを引き継ぐことができます。

退会の申請は、So-net契約の退会としてであれば、親族以外でも申告に基づき行うことができます。
手続きの際、契約内容の確認と申請者の確認が必要で、契約者の氏名、住所などの個人情報を数点組み合わせた形で確認が行われます。

また、内容によって若干違うようですが、退会希望のみの場合は死亡証明書などは必要ないようです。
ブログが長期間更新されない場合でも、退会の申請がない限り、ブログは残り続けます。

はてなブログ

利用規約第3条に「ユーザー名やパスワードは、個人用であり、いかなる場合も譲渡または貸与することを禁止します」とあるため、他人に引き継がせることは難しいでしょう。

ただし、アカウント所有者がはてなに登録しているメールアドレスが相続された場合は、パスワードを再設定することにより、継続して使用することは抜け道的に可能なようです。

手続き専用ページはないため、個別の問い合わせが必要です。

ヤプログ!

利用規約第18条に「契約者の関係者による利用」が定められています。

契約者本人が、その家族や関係者に利用させる目的で利用契約を締結した場合は、本人以外がブログを引き継ぐことができるようです。
ただし、その場合、ヤプログが指定する手続きが別途必要となります。

退会する場合は、マイページ内から行えます。退会すると、ブログの内容は全て削除されます。

YouTube およびGoogle関係

アカウントの処理をあらかじめ決めておきたい場合

ユーザーが亡くなったら、家族は必要書類を揃えてGoogleに申請すれば、アカウントの停止や開示の要求ができます。
ですが、この書類、英文で書く必要があるのです。

また、「死去したユーザーに関するリクエストにお応えするかどうかは、慎重な審査のうえ決定されます」ということですが、審査の基準は非公開で、アカウントの停止はともかく、申請した内容が必ず開示されるとは限りません。

YoutubeやGoggleアカウントを削除する場合は?

そんな時は「アカウント無効化管理ツール」を利用しましょう。

このツールは、ユーザーが一定の期間自分のアカウントを利用していない状態が続いた場合に、そのアカウントデータの一部を公開したり、他のユーザーに通知したりするための手段です。
アカウント無効化管理ツールを設定するには、専用ページにアクセスし、「開始する」をクリックするだけです。
通知する相手を複数指定して、メールのタイトルや内容、公開するデータを個々に編集することもできます。

故人のアカウントのリクエストを行う場合

生前に、自分の死後、オンライン・アカウントをどう管理するか決めておく人は、まだまだ少ないですね。
このため、Googleでは、遺族や代理人の方と連絡を取って、適切であると判断した場合には、故人のアカウントを閉鎖することもあるようです。

このように、アカウント所有者が亡くなった場合、3つの対応から選択することができます。

2つ目の「故人から資金を取得する」という選択肢ですが、故人がもしYouTuberだった場合、こちらから権利を譲渡することが可能と考えられます。

「デジタル終活」のススメ

デジタル遺品の最大のポイントは「他人からわかりにくい」ことです。

デジタル遺品、SNSアカウント情報の整理から

オンライン取引をしていることを知っていても、口座がわからない。

SNSをやっていることを知っていても、IDもユーザー名もわからない。

それどころか、スマホやパソコンにかけているパスワードだって、知らない家族がほとんどなのではないでしょうか?

いざという時に家族が困らないよう、デジタル遺品については、できる限り「見える化」しておくことをお勧めします。

これは、データとしてではなく紙などに書き、すぐ使えるようにしておかなくては意味がありません。
エンディングノートなどを活用してもよいでしょう。これからは、ますます「デジタル終活」が重要な時代になっていくのですから。

この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家

氏名:新家 喜夫

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。