生前準備

終活とは? 豊かな人生を送るためにやっておきたい3つのこと

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ここ数年で、すっかり定着した「終活」という言葉。
まだ自分には関係ないと思っている人も、なんとなく耳にしたことがあるのではないでしょうか?
「終活」は2012年の流行語大賞にもノミネートされ、広く知られるようになりました。

「終」という文字を見ると、寂しくなったり、死に対して恐ろしいという気持ちが湧いたり、複雑な気持ちになる人もいるかもしれません。
死を怖がらないのは難しいことですが、少しだけ勇気を出して、自分の死について考えてみませんか?

死と向き合い、より良い人生を過ごすための活動が「終活」です。どんなことを行うのか、まとめました。

終活とは

終活とは?

「終活」とは、「人生の終わりのための活動」の略語です。

人が人生の最期を迎えるにあたって行う様々な準備や、人生の総括のことをいいます。
どんな人にも必ず「死」は訪れます。
「死」はいつやって来るのかわかりませんが、最後まで自分らしい人生を送りたいもの。終活は、そのための準備です。

終活が広まった背景には、日本の社会状況が大きく関係しています。
特に、少子高齢化や、家族の形の変化が大きな理由です。

現代の日本は、世界でもトップレベルの高齢化社会です。また、これと同時に、少子化の問題も見過ごすことはできません。
総務省の統計によれば、日本の人口は2004年に1億2,784万人まで増えましたが、これをピークに減少し続けています。
高齢化率も、2004年時点で19.6%だったのに対し、2050年には人口が9,515万人、高齢化率は39.6%と予想。今後、日本は高齢者ばかりの国になっていくわけです。

高齢化社会

また、昔とは家族の意識も変化しています。核家族が増え、子供と同居しない人が多くなり、一人暮らしの高齢者が増えていることから、孤独死なども問題になっています。

かつては、子どもが親の面倒を見ることが当たり前でした。兄弟も多く、子供1人にかかる負担も多くはありませんでした。
しかし現代では、子供1人にかかる負担が大きくなるため、子供に頼れない、苦労させたくないという親が増えているわけです。

こうした社会背景によって、終活というものが広まったと考えられます。

終活は何のためにするの?

さて、終活は、何のためにするのでしょうか。終活には2つの目的があります。

  • 自分の死後、残された家族の負担を軽減するため
  • 自分の人生を豊かにするため

自分の死後、残された家族の負担を軽減するため

身の回りを整理する

近年、親の家の片付けが子供の負担になっています。もしものことがあったとき、子供に負担をかけないよう身の回りのもの整理しておきましょう。

また、片付けることによって、無駄なもののない清潔な部屋で快適な生活が送れるというメリットもあります。

相続の準備をする

自分の死後、遺族の間で遺産をめぐる争いが起きることがあります。
このような事態は、資産がどのくらいあるか分からないときに起こりがちです。
遺族がお互いを疑って争いに発展してしまうのです。

このような事態を避けるため、資産を明確にしておきましょう。

預金や現金、不動産をはじめとする財産目録を作成し、ローンやクレジットについても明らかにしておきます。
相続について、相続人となる人と十分に話し合っておくことも大切です。

葬儀やお墓の準備をする

身内が急に亡くなった場合、家族が悩むのが葬儀の形やお墓の問題です。

まず、お葬式をどのような規模や形、場所で行いたいか決めておきましょう。最近では、昨年10月、アントニオ猪木さんが生前葬を行って話題になりました。

また、お墓や埋葬方法についても考えておきたいものです。
代々のお墓に入るのか、新しくお墓を建てるのか、また、埋葬でなく海などに散骨するのかなど、現代では、昔は考えられなかったような葬儀や埋葬方法があります。

生前に墓地を決めておく

具体的な希望を残しておけば、人生最後の幕を自分の思い通りに引くことができるだけでなく、もしもの時に家族が悩まずに済みます。
葬儀やお墓は生前予約もできますので、元気なうちから考えておくといいですね。

施設や介護、制度について知っておく

高齢になると、体が不自由になったり、痴呆症にかかったりすることがあります。
そんな時に備え、受けられる制度やサービス、その手続きなどをチェックしておきましょう。

大きな病気になった場合、入院するのか、在宅で医療を受けるのか、延命治療を希望するのかなども重要です。
施設や介護保険制度についても知っておきたいところですね。

また、判断力が衰えてしまった場合、後見人に法律面や生活面で保護・支援してもらう「成年後見制度」があります。
最近では、後見人を信頼できる家族の誰かに指名し、遺産の管理を任せる「家族信託」も注目されています。

自分の人生を豊かにするため

終活で行うことは、物理的なことばかりではなく、精神面を豊かにする活動も含まれています。
これまでの人生をゆっくりと振り返ってみましょう。

残される家族のことを考えたり、友人や知人、今までお世話になった人たちへ思いを致したり、やり残したことや叶わなかった夢などを振り返ってみます。

こうすることで、残された時間のなかで出来ること・出来ないことを把握できるのです。
残りの時間をより豊かに、有効に使えるよう、終活を行いましょう。

身の回りの整理いろいろ

終活のひとつとして、身の回りの整理があります。身の回りの整理のいろいろをみていきます。

  • 生前整理
  • 老前整理
  • 福祉整理

生前整理

行う人=本人
行う年代=60~70代中心だが年代は問わない

生前整理とは、自分が生きているうちに、身の回りのものを整理することです。
自分の死後、家族など残された人たちが、膨大な遺品に囲まれて処分に困ったり、相続などでトラブルを起こすことのないよう、不要なモノを捨てたり、遺産となるものを整理したりします。

生前整理

生前整理は、もともとは仕事をリタイアし、本格的に先のことを考え始める年代が行うものでした。
しかし近年は、若い世代であっても、親元を離れて一人暮らししている人も多く、さらにミニマリストが流行していることもあり、若い世代にも広がっているようです。

年代によって「死」への現実感は異なっても、周りに迷惑をかけたくない、身軽に生きて生きたいという気持ちは共通しています。

老前整理

行う人=本人
行う年代:40~50代

「老前整理」は、40代、50代のまだまだ働き盛りの世代の人たちが行う身辺整理です。
この年代は、まだまだ身体が思うように動かせます。そのうちに身辺整理をしておこうというものです。

40~50代というと、親の介護が始まったり、親の家を片付けたりといった現実に直面する人が多くなります。
また、子供が独立し、夫婦二人での生活が現実になっていく時期です。
それだけに、自分たちの今後の生き方や暮らし方について、改めて考えるにふさわしい節目なのでしょう。

老前整理

「老前整理」は、生きているうちに行うのは同じですが、これまでの人生をいったん整理し、身軽になって、その後の人生をよりよくするという意味があります。
40代、50代のうちにある程度の整理をしておけば、恒例になってから「片付けなければ」というストレスが溜まりません。

移動を妨げるモノをなくせば、安全に暮らすことができます。
将来、もしも車いすの生活になっても、モノが少なく、十分な移動スペースが確保されている家ならスムーズに生活できます。

福祉整理

行う人=本人以外の人
行う年代=高齢者(病気にかかった人の場合は全ての年代)

「福祉整理」とは、介護や福祉に関わり、高齢者が健全な生活を続けるために住環境を整えることをいいます。
遺品整理や生前整理のように、いつか来る「死」を意識して行う身辺整理ではありません。

たとえば、介護施設に入居したり、末期がんなどで入院した場合、これまで暮らしていた自宅や部屋を整理するために行います。
外でなく自宅で介護生活を送る人の場合は、介護用ベッドを置くスペースを確保し、介護する人・される人両方が気持ち良く生活できるよう住環境を整えルために行います。

福祉整理

また、認知症にかかった人は、家の中を汚したり、徘徊してごみや不用品を集めてきたりという行動をとるようになることがあります。
このような人が清潔で健康な生活を営めるよう、ごみを捨て、片付けや掃除をします。

さらに、要介護でなくても、自分で片付けや整理が難しい高齢者は増えています。
こういった人が安心して健康な毎日を送れるようにするため、定期的に整理やハウスクリーニングをします。

このように、住環境を整えることで、高齢者や病気の人が健全な生活を送るために行います。

終活、これだけは必ずやっておこう!

終活には様々な内容がありますが、これだけは必ずやっておきたいポイントを挙げておきます。

  • 財産目録の作成
  • 遺言書の作成
  • エンディングノートを活用しよう

財産目録の作成

人が亡くなったあと、一番多いのが遺産相続をめぐる争いです。
これを防ぐには、財産目録を作って遺産がどのくらいあるのかを明確にしておく必要があります。

財産の内容ははっきりしないと、隠し財産があるのではないか、誰か1人だけが生前贈与を受けているのではないかなど、相続人同士の間で疑いの心が生まれる可能性があります。
昨日まで仲の良かった兄弟が今日は口も利かない、などということが現実に起こっているのです。

このほか、相続が完了したあとに借金が見つかったり、家族にわかりにくいインターネット株取引での負債がわかったりした場合、遺族が大打撃を被ることになってしまいます。

そういったトラブルを未然に防ぐため、財産の目録を必ず作っておきましょう。

預金など財産目録をつくりましょう
現金や預貯金、不動産、貴金属、骨董品など価値のある財産(プラスの財産)だけでなく、借金やローン、連帯保証人になっていないかどうか(マイナスの財産)など、お金に関する全ての情報を正確に記載します。

財産目録があれば、その内容によって、相続人は遺産を相続するのか、相続を放棄するのか、または一部のみ相続する(限定承認)のかなど、相続の方針を決めることができます。

財産はいったん相続してしまったら、後から借金が発覚しても、基本的にそのマイナス分も相続しなくてはなりません。
こういった場合、かなり面倒な問題に発展します。大切な家族を苦しめないために、財産目録は必ず作りましょう。

遺言書の作成

遺言書では、主に遺産の相続について故人の意思を表します。

  • 財産処分
  • 子どもの認知
  • 相続人の廃除、または廃除の取り消し
  • 相続分の指定
  • 遺産分割方法の指定、または遺産分割の禁止

このような項目について、遺言書で指定することができます。
遺言書を残すことによって、家族間の争いを避けられる可能性があります。また、自分が財産をあげたいと思う人にあげることもできるのです。

遺産相続については法律で定められていますが、遺言書の内容は法律よりも優先され、故人の遺言を無視した相続を行うことはできません。
これだけの強い効力を持っているだけに、遺言の内容が間違いなく遺言者本人の意思であることが確認できるよう、遺言書は法律に則った方式で作らなくてはなりません。

また、最近では、さまざまな項目が遺言書よりも細かく設定できる「家族信託」が注目されています。
遺言書を作る場合も、家族信託を利用する場合も、専門家に相談するとよいでしょう。

エンディングノートを活用しよう

「終活」ブームとともに知られるようになったのが、「エンディングノート」です。

エンディングノートは、生前整理において最も重要な役割を果たすツールと言えるでしょう。
終活の内容をまとめておくことで、死後に遺族が遺品整理を行いやすくなります。

ただし、エンディングノートに法的効力はありません。
ノートの内容はあくまで“希望”なので、遺言書ほどの重みはないのです。相続問題が発生しそうな資産がある場合は、遺言書のほうが確実でしょう。

その場合、エンディングノートでは、遺言書に記されている内容が、どうしてそうなったかを説明しておくとよいでしょう。
自分の気持ちを生前にまとめておき、自らが話し合いに参加できない場で、補助的に自分の思いを伝えてくれます。

生前整理とエンディングノート

エンディングノートは書店で買えます。また、エンディングノートがダウンロードできる、遺品整理業者・葬儀業者のホームページもあります。
形式は特に決まっていないので、普通のノートでも、パソコンで書いても何でも構いません。遺言書と違い、何度でも書き直すことができます。
日記を書くような感覚で気軽にチャレンジしてみましょう。

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