生前準備

生前整理・エンディングノートで財産・遺産の目録を作ろう

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人が亡くなったあとのトラブルで最も多いのは、相続問題です。
ただでさえトラブルを起こしやすい相続問題。故人が突然亡くなった場合や、孤独死だった場合には、さらに大きなトラブルになりかねません。故人が何をどれくらい遺しているのか分からないからです。
財産が遺言書を作るほどのものではなくても、できるだけ生前に記録しておいたり、目録を作っておいたりしたいもの。
生前整理で全てを「目に見える化」することで、トラブルを未然に防いだり、最小限に抑えたりする効果があります。

では、遺産や財産の目録は、どのように作ればよいのでしょうか?
そんなとき役立つのが生前整理と「エンディングノート」です。
「エンディングノート」は、もしものための備忘録です。
今回は、エンディングノートと、その使い方についてみていきましょう。

エンディングノート

エンディングノートとは?

エンディングノートに様々なことを書き残しておけば、いざという時、残された家族が慌てたり、困ったりしなくなります。遺産についての目録があれば、争いに発展することもありません。

  • 「終活」のススメ
  • エンディングノートの誕生

「終活」のススメ

日本では、少子高齢化が急速に進んでいます。総務省の予測によると2035年ごろ、65歳以上の高齢者が人口の3割を占めるといいます。介護やその費用は、ますます増えるでしょう。
しかし、経済は厳しい状況が続いており、高齢者の自殺も増えています。不安を感じる人が多くなるのも当然です。

また、年配者の間では、残される家族や周囲に迷惑をかけたくないという意識が高まってきました。
こういった社会状況を背景として提唱されるようになったのが「終活」です。「生前整理」も終活のひとつですね。
自分がいつどうなるかわからない不安がつきまとう世代や立場の人にとって、終活はとても大切なこと。今や、死んだあとのことも自ら管理すべき時代なのです。

エンディングノートの誕生

おじいさん

終活の必要性が高まるとともに誕生したのが「エンディングノート」です。
日本で最初のエンディングノートは、1991年、葬儀用ギフトを取り扱う会社の創業者が発表した「3部作」(自分の死、家族の死、第三者の死)といわれています。

次いで、1996年に「遺言ノート」が登場。以降、法人などの作成したものを経て、現在はさまざまな会社から発売されています。
内容も様々で、ある項目に特化したもの、オールラウンドに記録ができるもの、日記風に書けるものなど多種多様です。
エンディングノートは、文房具店や書店で扱っています。また、インターネットで購入することもできるので、いろいろ見比べて、自分が残したい内容に合ったものを選ぶとよいでしょう。

エンディングノート活用法

さて、エンディングノートには、どのようなことを書いておけばよいのでしょうか。

  • 自分の記録
  • 介護や延命治療について
  • 葬儀やお墓について
  • 遺品や形見について
  • 遺産の目録

自分の記録

これまで、自分が歩んで来た道を書き残しておきます。
生年月日や生活史、経歴、家系図など。友人・知人のデータも残しておけるので、簡単な住所録にもなります。
連絡先の一覧があれば、もしもの時に、大切な人に連絡してもらうことができます。

介護や延命治療について

もし介護が必要な状態や、認知症になった時、ご自身はどうしたいですか? 施設に入るとすれば、どんな施設に入りたいでしょうか。
また、重病にかかった場合の病名や余命の告知、終末治療や延命医療を希望するのかどうか。これらを書き残しておき、理想の最期に備えます。

車イス

葬儀やお墓について

お葬式を執り行うのは、精神的にも肉体的にも負担がかかる大仕事です。
規模や形式、会場、誰を呼んでほしいのか。どの写真を遺影にし、どんな音楽を流し、どんな風にお別れをしたいのか。
これらを書き残しておけば、家族を悩ませることなく理想に近い葬儀を行うことができるでしょう。

お墓については、近年、単独で建てるケースが増えてきました。
永代供養をしてくれるロッカー式の集合墓や、散骨(海洋葬)や樹木葬など新しい形の埋葬を選ぶ人も多くなっています。
これらの希望を書き残しておけば、安心して眠ることができるでしょう。

遺品や形見について

人が亡くなったあとに残される、様々なモノ。どうすればいいのか途方に暮れてしまいますね。
この悩みを解消するのが遺品整理業者ですが、何を誰に形見としてあげたいかまで判断するのは難しいものです。
何を誰に残したいかだけでも記録してあれば、業者がきちんと仕分けして、遺族にお渡しすることができます。

最近、テレビなどでも話題になっている「デジタル遺品」についても、保存している写真やファイルの処分法、インターネット上のログインIDやパスワードなどを残しておけば、死後、様々な契約の解除をする際に役立ちます。

タブレット端末

遺産の目録

通常、遺産相続するべき人や相続分は法律で決まっています。しかし、個別に相続を指定したり、相続人以外に渡したいものがあったりなど、イレギュラーなケースはよくあります。
こういった希望は、書き残していなければ遺族に伝わりません。

まずは自分の財産を整理し、どのように分配・処分するのか考えておきます。
エンディングノートに法的効力はないためメモ程度になりますが、整理をしておくには有効です。
大切な人たちを争わせないため、元気なうちに、財産の分配や処分を決めておきましょう。

財産・遺産目録の作り方

ノートに記入

では、一番トラブルを起こしやすい遺産について、エンディングノートにどう記録すればよいか、具体的にみていきます。
もしも、遺産相続が済んだあとに新たな遺産が出て来たりすると、とても面倒なことになります。必ず、漏れのないよう書いておきましょう。記録した年月日も忘れずに。

  • 預貯金について
  • 住居や不動産について
  • 株式・投資信託・国債などについて
  • 生命保険・損害保険について
  • 年金について
  • ローン・借入金・貸付金などについて
  • クレジットカードについて
  • 会員権・純金積み立てなどについて
  • 貸金庫・トランクルームなどについて
  • 骨董品・美術品・自動車などについて
  • その他の遺産・遺品について

預貯金について

預貯金は、金融機関が口座の名義人が亡くなったことを知った時点で凍結され、お金の出し入れができなくなります。
預貯金を相続するには、故人の戸籍謄本や相続人全員の印鑑証明書、相続請求書などの必要書類をそろえて手続きします。
相続開始時点での正確な残高は、残高証明書(有料)を発行してもらうことができます。

<書き留めておく項目>

  • 金融機関名と支店名
  • 口座の種類(普通預金、定期預金など)
  • 名義人
  • 口座番号
  • 残高(○年○月○日現在)
  • 給与振込口座、公共料金やカード引き落とし、年金振込口座、インターネット取引きなど、口座の用途を明記

住居や不動産について

土地や建物の評価額は、固定資産税の評価額や、国税庁のホームページにある路線評価や倍率表から調べることができます。これらは、居算相続の際の目安となります。

<書き留めておく項目>

  • 住居表示
  • 登記簿上の所在地
  • 建物の種類(土地・建物・マンション・アパート・田畑など)
  • 用途(自宅・別荘・貸家・駐車場など)
  • 面積
  • 名義人(複数人の持ち物である場合は、その割合)
  • 抵当権設定の有無
  • 評価額(○年○月○日現在)

家

株式・投資信託・国債などについて

証券会社なども、名義人の死亡を知った時点で取引きを停止します。必要書類をそろえて相続の手続きをしたあと、名義の書き換えや移管、出金、解約などを行います。
また、インターネット上で株取引きについても必ず書いておきましょう。こういった取引きは家族であっても知らないことが多いため、遺族がある日突然、多額の負債を負ってしまうケースが増えています。

<書き留めておく項目>

  • 取り扱い機関名・取引き店
  • 連絡先
  • 名義人
  • 口座番号
  • 評価額合計(○年○月○日現在)
  • 株式の銘柄や国債など具体的な内容

生命保険・損害保険について

保険証券で内容を確認しながら、正確な内容を記入しましょう。

<書き留めておく項目>

  • 保険会社名
  • 保険の種類・名称
  • 証券番号
  • 契約者名
  • 被保険者・保険対象
  • 保険金の受取り人名
  • 保険の内容(保険期間・保険金額・特約など)
  • 担当者名・代理店の連絡先

年金について

年金手帳

公的年金を受けている場合は、年金の種類を記入しておきます。

公的年金の場合

<書き留めておく項目>

  • 年金の種類(国民年金、厚生年金、共済年金、老齢基礎+老齢厚生、老齢基礎+老齢厚生+居即厚生など)
  • 基礎年金番号
  • 最寄りの年金事務所連絡先
  • 支払・受取口座(金融機関名・支店名・口座番号)

企業年金などの場合

<書き留めておく項目>

  • 年金の名称
  • 連絡先
  • 加入員番号・年金証書番号
  • 内容

個人年金の場合

<書き留めておく項目>

  • 保険会社名
  • 保険の種類・名称
  • 証券番号
  • 契約者名
  • 被保険者名
  • 保険金受取人名
  • 内容(年金受取期間・年金額・特約など)
  • 担当者・代理店の連絡先

ローン・借入金・貸付金などについて

ローンや借入金などの負債は「マイナスの遺産」ですが、これらも相続の対象になります。

ローン・借入の場合

<書き留めておく項目>

  • 借入の内容(住宅ローン、自動車ローン、カードローン、知人からの借金など)
  • 借入金額
  • 借入日
  • 借入先・借入先(債権者)の連絡先
  • 担保と保証人名
  • 返済方法・完済予定日
  • 借入残高(○年○月○日現在)

家とお金

他人の借金の保証の場合

<書き留めておく項目>

  • 債務者(お金を借りた人)名
  • 債務者の住所・連絡先
  • 債権者(お金を貸した人)名
  • 債権者の住所・連絡先
  • 保証日
  • 保証した金額

貸付金の場合

<書き留めておく項目>

  • 貸した相手の名前
  • 住所・連絡先
  • 貸付金額
  • 貸付日
  • 返済方法
  • 返済期限
  • 返済状況(○年○月○日現在○○円)

クレジットカードについて

<書き留めておく項目>

  • 名義人名
  • カード名
  • カード番号
  • カード会社名
  • カード会社の連絡先

クレジットカード

会員権・純金積み立てなどについて

ゴルフの会員権には種類があり、相続できないものもあります。
相続できるものの場合は、名義の書き換えが必要となるので、どのタイプの会員権か書き留めておきましょう。
純金積み立ても名義変更が必要となります。

<書き留めておく項目>

  • 名義人名
  • 品目
  • 取り扱い機関
  • 購入日
  • 購入金額
  • 評価額(○年○月○日現在○○円)

貸金庫・トランクルームなどについて

貸金庫も、銀行口座と同様、名義人の死亡を知った時点で凍結されます。また、トランクルームなどに預けているものが遺産と見なされる場合もあるので、書いておきましょう。

<書き留めておく項目>

  • 契約会社名・連絡先
  • 貸金庫やトランクルームの場所
  • 預けたものの内容

骨董品・美術品・自動車などについて

絵画や美術品、貴金属、骨董品、着物、自動車など、資産価値のあるものを記録しておきます。

<書き留めておく項目>

  • 品目
  • 内容や購入時の金額
  • 保管場所

フォトフレーム

その他の遺産・遺品について

大切にしていたものを特定の人に残したい場合、形見分けリストとして整理しておけば、捨てられてしまったり、他の人の手に渡ったりするのを防ぐことができます。
ただし、価値の高い貴金属や骨董品などは、分割すべき遺産と見なされるケースもあるので、注意が必要です。

エンディングノートで注意すべき3つのポイント

  • ノートの存在を伝えておく
  • 遺産分割について
  • ノートを書き直した時

ノートの存在を伝えておく

まず、何より大切なのは、ノートの存在を遺族や信頼できる第三者に伝えておくことです。
せっかく書いても、その存在を誰も知らなければ意味がありませんよね。
そして、遺産については、あくまでも「補足的に活用する資料」程度にとどめておくのがよいでしょう。

遺産分割について

本来、遺産分割は遺言書に基づいて行なわれるものであり、エンディングノートに法的効力はありません。
しかし、遺族にしてみれば「書いてあることは、亡くなった方の意向や気持ちだ」と受け取るものです。万が一、遺言書と内容が違っては大問題になります。
トラブルの元にならないよう、遺産の分割については、エンディングノート上で明記するのは避け、遺言書で正式に行うようにしましょう。

ノートを書き直した時

エンディングノートのよいところは、何度でも書き直しができることです。考えが変われば、いつでも直せます。
しかし、亡くなったあと、古いエンディングノートが何冊も出て来るようなことがあれば、かえって混乱を招いてしまいます。
もし、ノートの内容を書き直したら、前の内容は必ず破棄しましょう。以前に書いたものを思い出として取っておくのもNGです。

終活

もしもエンディングノートが遺っていたら・・・

遺品整理の仕事の中で、遺産争いや形見分けでの争いは、時折見かけるものです。そんなとき、なにかメモでもいいから、遺っていればよかったのに……と思ったりします。
遺品整理作業の中で、エンディングノートや日記のようなものが見つかると、ホッとすることも。
亡くなったあと、遺族が争うのを空の上から見るのはつらいもの。ぜひ、エンディングノートを活用していただきたいものです。

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