生前準備

遺品整理と不動産~家のことは生前整理で

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もし、離れて暮らす身内が突然亡くなったら……。
もし、親御さんが施設に入ることになったら……。
残された土地家屋について、否応なく考えなくてはならなくなりますね。
遺産相続は、とかく争いに発展しやすいものですが、最も多いのは土地や家などの不動産です。
平成27年(2015年)には「空き家対策特別措置法」も完全施行されました。今後、管理の行き届いていない空き家は、行政からの指導や命令が入り、最終的には強制撤去や固定資産税の優遇措置が受けられなくなることもあります。
悲しい争いを避け、スムーズに不動産を相続するためには、どうすればよいのでしょうか。

不動産

なぜ不動産の生前整理が必要なの?

本来、遺品整理といえば、亡くなった人の残したものを片付けることです。
しかし近年では、生きているうちに片付けを行おう、また、年齢に応じた整理を少しずつしていこう、という意識が高まってきています。

終活~「生前整理」と「老前整理」

60代、70代の人々が、まだ元気でいるうちに行う整理を「生前整理」といいます。
これは“終活”の一環で、自分がいつどうなるかわからない不安がつきまとう世代にとって、子や孫に負担をかけずに済む安心感につながるわけです。
また、最近よく耳にする「老前整理」も、「生前整理」のひとつです。
こちらは、40代後半~50代年齢の人たちが、退職後の第二の人生に向けて物や財産などを整理することを指す言葉です。

相続

この年代は、子供が大学入学で家を離れたり、早い人では就職や結婚で独立したりして、生活環境が変わる家族が多くなってきます。そうなると、夫婦2人で住む家や、今後の生活について考え直すことになりますね。
これまでは一軒家に住んでいたけれど2人では広過ぎるとか、高齢となったときのことを考えて利便性の高いマンションへ引っ越すなど、不動産をまとめて整理する人も増えています。

なぜ不動産相続でトラブルが起きやすいのか?

遺産相続は、相続財産に不動産が含まれるかどうかで、難易度が大きく違ってくるといわれています。
まず、不動産は、モノとして簡単には分けられないものである、ということがトラブルの始まりといえます。
現金や預金なら額面がはっきりしていますので、相続が発生すれば、各相続人に配分するのが比較的簡単ですよね。でも、不動産は、その価値が高額であるにも関わらず、モノとしてただちに分けることができません。

遺産相続

さらに、不動産は、どのくらいの価値があるのか、評価がとても難しいのです。そう簡単にお金に換えることができないケースも多く、また、手続きも素人では難しい場合がほとんどです。
こういった理由から、不動産はトラブルの種をはらみやすい遺産なのです。

不動産相続トラブルの実例1~住むか、売るか

A家では、お母さまが亡くなられ、3人の子供がお母さま名義のマンションを相続することになりました。子供たちは平等に相続権があるため、A家の場合は、子供たちが3分の1ずつ相続することになります。
しかし、長女がこのマンションで同居してお母さまの面倒をみており、「引き続きここで暮らしたい」と言うのです。しかし、弟や妹は「姉さんだけの家ではない。売って分配してほしい」と主張します。
このトラブルから、仲の良かった兄弟の仲は険悪になってしまいました。

不動産相続トラブルの実例2~賃貸住人の立ち退き問題

B家では、亡くなったお父さま所有のアパートを売って分割することになりました。
そのためには、現在、住んでいる住人に立ち退いてもらわなくてはなりません。しかし、敵もさるもの、なんだかんだと理由をつけて退去せず、さらには法外な立ち退き料を要求してきたのです。
あまり長引くと、相続税の申告期間(10カ月)に間に合わなくなるかもしれず、B家の人々は仕方なく裁判を起こすことになってしまいました。

不動産相続トラブルの実例3~不動産の評価額

C家では、由緒ある土地と建物を、跡取りの長女が1人で相続することになりました。ほかの相続人は、相続分をお金に換算し、長女に支払ってもらう形で話がつきました。
しかし、ここで問題になるのが、この土地と建物の評価額です。
不動産の価値を表す「評価額」。支払う長女は、評価額をできるだけ低くしたい。しかし、相続人たちは、少しでも多くのお金をもらうため、評価額をできるだけ高くしたいわけです。
各相続人は、それぞれ不動産会社に依頼して、自分の意向を含んだ査定額を提示しましたが、全く歩み寄ろうとはしません。もめにもめた末、調停が入るしかなくなってしまいました。

3つのトラブル例を紹介しましたが、不動産とは、このようにトラブルの起きやすい遺産です。遺族を争わせることのないよう、ぜひ生前整理をしておきたいものです。

不動産相続の方法を知っておこう

登記簿

一般的には、不動産鑑定士に評価してもらうなどして、不動産の価値や価格を把握した上で、不公平のないよう分配されます。しかし、相続の権利を持つ人全員が納得できるのであれば、遺産の価値をどう判断するかは自由です。
ここでは、土地や建物など不動産分割の方法について知っておきましょう。

  • 現物分割
  • 換価分割
  • 代償分割
  • 共有分割
  • 不動産の評価について

現物分割

たとえば、「土地・建物は妻に、現金・預金は子供に」といったように、個々の遺産をあるがままの形で分け合う、最もシンプルな分割方法です。
土地・建物と現金・預金の資産価値は、イコールではないケースも出てきます。

換価分割

不動産を売却して現金化し、分割しやすい財産にして分割する方法です。
公平に分配することができるのがメリットですが、たとえ思い出や歴史のある土地であっても手放さなくてはなりません。また、売却による譲渡税が発生します。
実家ではなく、よそに不動産がある場合や、投資用の不動産を分割するような場合に適した方法でしょう。

不動産

注意したいのは、もしも1億円の価値がある不動産を売却したからといって、必ずしも現金1億円になるとは限らないということです。
不景気のときに相続が発生してしまったら、高くは買ってもらえないことがほとんどでしょう。また、遺産分割協議は、10カ月以内(相続税の申告期限)に合意する必要があるため、時間をかけて売買募集することが難しくなります。

どちらにしても、換価分割の場合、市場相場よりも安く買いたたかれてしまう可能性が高いのです。
もしも、遺産分割の際に支障となる恐れのある不動産を持っている場合は、生前に売却して現金化しておくとトラブルになりにくいでしょう。

代償分割

相続人のうち1人が不動産を全て相続し、他の相続人には、相当分の金銭を支払う方法です。
たとえば1億円の価値がある土地をA~Dの4人で分ける場合、1人の取り分は2500万円になりますね。
これを、Aさんが不動産をモノとして全て受け継ぎ、Bさん、Cさん、Dさんに、現金で2500万円ずつ支払います。

不動産を手放せない、手放したくない場合は残すことができるのがメリットです。しかし、不動産を引き継ぐ人は、現金を用意しなくてはなりません。
代償分割をする場合には、遺産分割協議書にその旨を記載しておく必要があります。

相続

共有分割

不動産を、複数の相続人で共有するという形で相続する方法です。
土地などを手放さずに済むというメリットはありますが、のちのち、管理をめぐりトラブルになるケースがあります。
また、共有財産なので、その不動産を売却したり賃貸したりする場合には、相続人全員の合意が必要になります。

不動産の評価について

財産の評価は、分割協議時点での時価で行うのが原則ですが、遺産の評価のなかでも複雑なのが不動産です。
特に土地評価は難しく、公示価格、基準地価格、路線価、固定資産評価額の「一物四価」などが評価に用いられます。

公示価格

全国の都市計画区域について、国土交通省が発表。国土法の指導価格、土地収用の価格に用いられます。毎年1月1日を基準日とし、3月下旬ごろ発表されます。

基準地価格

各都道府県が全ての区域について発表。公示価格の補完として利用されます。毎年7月1日を基準日とし、9月下旬ごろ発表されます。

路線価(相続税評価額)

国税庁が相続税・贈与税の算出の基礎として発表します。毎年1月1日を基準日とし、8月下旬ごろ発表されます。

固定資産税評価額

各市町村が、固定資産税・都市計画税・不動産取得税・登録免許税などの算出の基礎として発表します。3年に1度、評価が見直され、基準年度の前年の1月1日が基準日です。

不動産相続でトラブルを起こさないためには?

不動産相続

遺産相続をめぐる骨肉の争い――。
ドラマの中の特別な出来事だと思っていませんか?
実は、相続に関する家庭裁判所への申し立ては年々増えており、全体では何と約74%もの家庭で相続争いが起こっているそうです。
不動産におけるトラブルを避けるためには、生前にどのような対策をしておけばよいのでしょうか。

  • 財産目録を作っておく
  • 遺言書を書いておく

財産目録を作っておく

「財産目録」とは、何が相続財産となっているのかがわかる一覧表のことです。財産目録の作成は法律上の義務があるわけではなく、書式にも決まりはありません。どのように作成しても、自由です。
目録にはプラスの財産はもちろん、借金などマイナスの財産もすべて記入します。

遺産を相続するときは、相続人全員で「遺産分割協議」を行うのが一般的ですが、もしも故人の財産がどれだけあるか知っていた人と、知らない人が存在したらどうでしょうか。
まだ隠し財産があるのではないか、自分の取り分が少ないのではないか、といった疑いの心が生まれて、協議がスムーズに進まなくなる可能性があります。

自分の死後、相続人同士が争うのは悲しいことです。生前整理の一環として財産目録を作成しておき、何がどれだけあるのかをハッキリさせておきましょう。

【目録の例】

財産の部 種類 面積・数量 評価の目安 予想価額
土地        
       
       
家屋        
       
       
有価証券        
       
       
       
預貯金        
       
       
その他        
       
       
       
財産合計  
債務の部 種類 細目 債務金額
       
       
       
債務合計  
差引純資産価格  

遺言書を書いておく

無駄な争いを起こさせないために最も有効な手段は、遺言書を書いておくことです。
遺留分などについては協議が行われる場合もありますが、大筋を決めておけば、争いは最小限に食い止められるでしょう。
民法によって定められた要件を守り、遺言書を作成しておきましょう。

  • 自筆証書遺言
  • 公正証書遺言
  • 秘密証言遺言

自筆証書遺言

遺言者自身が内容、日付、氏名を自筆で書き、押印します。ワープロや代筆は無効です。
ほとんど費用がかからず、遺言の内容を秘密にでき、いつでも書き直すことができます。
条件さえ満たしていれば、ノートや日記であっても遺言書として遺すことができますが、書式違反や内容不明があると無効になってしまうため、ルールに従って書くよう注意しましょう。

ただし、紛失、変造、隠匿の可能性がありますので、保管には注意が必要です。また、協議を開始する際、家庭裁判所での検認が必要となります。

公正証書遺言

公証人役場で、2人以上の立会人のもと作成します。本人の口述を筆記し、本人、立会人、公証人が捺印します。手数料はかかりますが、原本は公証人役場に30年間、保管されるので、紛失や変造の心配がありません。
公証人が作成するため、必ず要件を満たした遺言書になること、家庭裁判所での検認が不要になることも大きなメリットでしょう。
公証人のもとで作成するので、内容を秘密にできないことがデメリットといえます。

秘密証言遺言

自分で作成した遺言書を、公証人と2人以上の立会人のもとで封印したものです。
遺言者自身が署名・捺印していれば、ワープロや代筆でもOKです。その遺言書を封筒に入れ封をした後、証人2人以上とともに公証役場に提出します。

この方法であれば、遺言書の内容を秘密にでき、なおかつ存在自体は証明され、作成日も特定することができます。ただし、遺言書の要件を満たしていないと無効となる可能性があるため、慎重に作成しましょう。
自分で保管しなくてはならないため、紛失、変造、隠匿などの可能性があること、協議開始時に家庭裁判所での検認が必要になることを覚えておきましょう。

遺言書

遺産の整理はできるだけ生前に

遺産相続では、遺言書の有無や、また、遺言があっても、その内容について争いが発生する場合があります。
さらに、誰が相続人なのか、どこまでが相続の対象となるのか、相続税などで問題が発生することもあります。

遺産相続関係は、主に家庭裁判所において審理されますが、早くて半年、長いと数年もかかるようなケースもあるようです。争いが大きく、長期化するほど、相続人は疲れ果ててしまいます。
最近は相続について勉強されている方が増えてきました。それでも、素人にはわかりにくい点が多く、どうしても複雑な専門知識が必要となってきます。
無用なトラブルを避け、適切な相続ができるよう、元気なうちに遺産を整理しておくことをお勧めします。

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