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ホスピスとは? 親の最後を安らかに看取るための終活基礎知識

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「ホスピス」という言葉、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

ホスピスは、終末期のケアを行う施設や、自宅で行う終末期ケアのことです。
1967年にイギリス・ロンドン郊外のセント・クリストファー・ホスピスにはじまり、1981年に日本に導入されました。

当初は延命治療をするという面が大きかったホスピスですが、最近では死と対峙し、死を看取る「ホスピスケア」が、欧米を中心に世界に浸透しつつあります。

ホスピスとは終活・終末期ケアのことです

ホスピスの歴史

  • ホスピスの由来とは?
  • 近代以降のホスピス
  • 日本におけるホスピス

ホスピスの由来とは?

中世ヨーロッパには、小さな教会で旅の巡礼者を宿泊させる教会がありました。
巡礼者が病気などで再び旅立つことができなくなったとき、ケアや看病をしたことから、看護収容施設全般を「ホスピス」と呼ぶようになったと言われています。

この教会で、巡礼者たちの看護をする聖職者の無私の献身と歓待を「ホスピタリティ(hospitality)」と呼びました。
ここから、病院を指す「ホスピタル(hospital)」という言葉が出来ました。

近代以降のホスピス

18世紀末のアイルランドには、プロテスタントの弾圧により居場所を失った人々がいました。
19世紀、慈善修道女会を創立した修道女マザー・メアリ・エイケンヘッドは、その人々の居場所を作るため、ダブリンに「ホーム」を建てました。これが現在のホスピスの原型と言われています。

ホスピスの歴史はイギリス、アイルランドから始まりました20世紀に入ると、治療のあてがなく、余命がいくらもない患者の最後を安らかにするための施設としての近代ホスピスが、イギリス、アイルランドから始まりました。

1950年代までの医療では、中毒になりやすく危険であることから、モルヒネなどの鎮痛剤を末期患者、特にガンの末期患者に対して使うことを控える傾向にありました。

そんななか、1967年、シシリー・ソンダース医師は、セント・クリストファー病院にホスピス病棟を設立し、終末期の患者およびその家族の苦悩や痛みに寄り添いました。

ソンダース医師は、1950年代のようなやり方を改め、患者の肉体的な苦痛を和らげ、精神的・心理的な苦痛を緩和し、安らかな余生を送れるような「緩和ケア」を実践したのです。近代医学における緩和ケアの重要性を強く訴えたことでも知られるソンダースは「近代ホスピスの母」と呼ばれています。

ソンダースが設立したセント・クリストファー・ホスピスは、ホスピスの世界的な広がりの先駆けとなりました。

日本におけるホスピス

日本初のホスピスは、淀川キリスト教病院(大阪府大阪市)に設けられました。
1972年、ワシントン大学への留学から帰国した柏木哲夫医師は、同病院でターミナルケア(終末医療)実践チームを結成。1974年にホスピスを開設しました。

現在、同病院は基本理念の一つに「生命の終末=エンドオブライフ・ケアにおいて高度であたたかな医療を提供すること」「人間としての尊厳が尊重された医療」を挙げており、院内にホスピス病棟、こどもホスピス病棟を設けています。

ホスピスは日本で1970年代から普及し始めました1982年には、福祉事業家の長谷川保が、ガン末期患者などのための緩和ケア病棟を開設しました。

クリスチャンであった長谷川の福祉事業は、1931年に結核患者のための病舎「ペテルホーム」を建てたことに始まります。

その後、1982年、聖隷三方原病院(静岡県浜松市)に「聖隷ホスピス」を開設しました。これは、独立した病棟のホスピスとしては日本初のものです。
淀川キリスト教病院と聖隷三方原病院は、1990年、日本で初めて緩和ケア病棟として承認を受けています。

完全独立型のホスピスとして日本で初めて完成したのは、日野原ピースハウス病院(神奈川県足柄上郡)です。

このホスピスは、病院の中に組み込まれているのではなく、独立した大きな家のような形でつくられています。
病室は自宅の自室のような雰囲気で、がんで積極的な治療の効果が見込めない末期患者に質の高いケアと療養に適した生活の場を提供する目的で開設されました。
この病院は、聖路加病院の名物内科医・日野原重明医師の主導のもとに開設されたものです。

このように、日本のホスピスは民間の病院や医療機関が先駆けてきました。しかし、近年、公的な機関もホスピスを開設するようになってきています。
1987年には、日本で最初の国立のホスピスが国立療養所松戸病院(現在の国立がん研究センター東病院・千葉県柏市)に開設されたのを皮切りに、全国各地の国立・公立病院にホスピス開設の動きが広がっています。

現代におけるホスピスとは?

ホスピスとは本来「余命の短い患者を援助するプログラムのことを言います「ホスピス」とは、本来は建物や施設を表す言葉ではありません。

主に末期がんやAIDSで苦しんでいる人に対し、苦痛を緩和するとともに精神的なケアをし、余命の短い患者が安らかに過ごせるよう援助するプログラムのことを言います。

近年では、看取りを含む終末期ケア(ターミナルケア)や、その実施場所や施設を含む広い意味で使われています。

日本においては「ホスピス」という言葉が多く使われていますが、海外では「ホスピス」は“死ぬ場所”というイメージがあるため「緩和ケア」という表現が使われるようになってきています。

  • 緩和ケアの理念とは?
  • 緩和ケアを行うのは誰?
  • 緩和ケアはどこで受けるの?

緩和ケアの理念とは?

「緩和ケア」とは、治癒を目指した治療が有効でなくなった患者に対する全人的なケアのことです。

たとえば、がんになると痛みや倦怠感などのさまざまな症状があります。それに伴い、落ち込んだり、悲しんだりなど精神的な苦痛も感じるわけです。

目の前に死が迫っている恐怖を1人で抱えるのは、健康な時には想像もつかないような精神状態でしょう。

そのような末期患者への緩和ケアは、以下の内容です。

  1. 痛みや、そのほかの苦痛となる症状を緩和します。
  2. 生命を重んじ、自然な流れの中での死を尊重します。ゆえに、死を早める(安楽死など)ことも、いたずらに遅らせる(延命治療など)こともしません。
  3. 患者さんが前向きに生きられるよう生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)を向上させ、死が訪れるまで、患者さんが穏やかに、自分らしく生きていけるように支えます。
  4. 患者さんのみならず、ご家族に対しても心のカウンセリングを含めた様々なケアを行い、患者さんの治療時から、患者さんが亡くなった後も、ご家族を支えます。

緩和ケアは、がん治療の初期段階から、外科手術、化学療法、放射線療法などと連携しながら、いつでも始めることができます。

緩和ケアを行うのは誰?

病院によって異なりますが、医師が単独で行うのではなく、チームを作ってケアにあたります。

ホスピスでは様々な患者さんに対応しますがんなどによって現れる症状は、痛みだけではありません。
食欲が低下したり、吐き気があったり、倦怠感やむくみ、気力がなくなるなど、不快な症状が起こります。
そのために憂鬱になったり、仕事ができなくなったりしてしまうのです。

そんな人のために、看護師、薬剤師、カウンセラー、ソーシャルワーカー、栄養管理士、リハビリの専門職などが一丸となり、患者さんと家族を支えます。

緩和ケアはどこで受けるの?

緩和ケアは、どこでも受けることができます。

病院

現在、治療を受けている病院や施設で、緩和ケアを同時に受けることができます。
入院中の患者さんを緩和ケアチームが診察したり、話を聞くために病室を訪問したりします。治療に当たる医師と協力して、痛みやつらさを和らげる支援をします。

緩和ケア病棟

厚生労働省から「緩和ケア病棟」として承認を受けた病棟で受けることができます。
緩和ケア専門の病棟では、病状が急変したときも素早い対応を受けられるのが大きなメリットです。

病気の進行に伴う体のつらい症状や精神的な苦痛があり、病気を治すことを目標にした治療の適応がない、あるいはこれらの治療を希望しない人が主な対象です。

外来

通院中の患者さんは、外来で緩和ケアを受けることができます。在宅で緩和ケアを継続的に行う患者さんが通院することも可能です。
訪問診療を行っている診療所や訪問看護ステーションと連携して、在宅での緩和ケアを受けるために必要な支援をします。
また、本人や家族の希望により、緩和ケア病棟などへの紹介も行います。

自宅

慣れ親しんだ自宅で最後の時間を過ごしたい人は、自宅でも緩和ケアを受けられます。

ホスピスの中には自宅ケアも含まれます在宅ホスピスや在宅緩和ケアを行う在宅医や訪問看護師が全国で活躍していますし、介護保険を利用して自宅で療養を続け、そのまま安心して看取りをすることもできるようになっています。

訪問看護では、医師との連携のもと、必要な医療的ケアを受けられるほか、入浴やシャワー浴の介助、排泄ケアや床ずれの予防や処置など、療養生活に関する援助なども受けることができます。

一人暮らしの人や、家族が高齢で頼ることができない人も、訪問診療や訪問看護、また地域の調剤薬局などの連携によって、最後まで安心して自宅で過ごすこともできるようになっています。

よりよい最期を迎えるために

もし、自分が末期がんであることがわかったら、あなたはどうしますか?
自分で動けなくなったり、自分で物事を判断できなくなったりしたとき、自分がどうなるのか、考えたことはありますか?
どんなに医療が進んでも、最期の時はやってきます。「その時」を、できる限り納得のいく状態で迎えたいと思いませんか?

いざその時「こんなはずではなかった……」と後悔しないためにも、元気なうちから終活をしておくことをお勧めします。

終活とは、人が人生の最期を迎えるにあたって行う様々な準備をすることです。

終活について考えてみましょう

行う項目はたくさんありますが、健康や病気に限って見ると、重病にかかった場合に病名や余命の告知をするかどうか、終末治療や延命医療を希望するのかどうか。
また、大きな病気になった場合に入院するのか、在宅で医療を受けるのか、延命治療を希望するのかなどを決めておきましょう。
ホスピスなどの施設や介護保険制度についても調べ、考えておきたいところです。

また、死後に献体や臓器提供を希望するかどうかも決めておくとよいでしょう。
特に臓器提供は、本人の意思が不明であっても家族の承諾があれば可能です。死後に家族が迷わないよう、決めておくといいですね。

終活は、死と向き合い、最後まで自分らしい人生を送るための準備です。エンディングノートなどを活用し、納得のいく最後を迎えられるよう準備しておきましょう。
最後をどう迎えるかのイメージができれば、そこへ向かって十分な準備をすることができます。
終活は悲しいことではなく、残りの人生を充実させるためのものでもあるのです。

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