遺品整理業

遺品整理士とは何か

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現在、「遺品整理」という言葉が注目を集めています。
書店に行くと、遺品整理に関する本が数多く並んでおり、同時に「遺品整理士」という仕事も新聞・雑誌・テレビなど様々なメディアで紹介されています。
特に「遺品整理士」という仕事が注目を集めたのは、2011年に歌手のさだまさしさんの小説が原作となった映画『アントキノイノチ』が公開された頃でしょうか。
この作品の主人公が勤務するのが、遺品整理業者でした。

では、遺品整理士とはどんな職業なのか。
その名のとおり、故人の遺品を遺族が整理する際、そのお手伝いをする仕事です。あるいは、現場に立ち会えない遺族に代わって、遺品整理に関する作業を全て請け負うこともあります。
こう書くと、多くの方は「遺品整理士」といえば、遺品=故人が残したごみを処理する業者、という印象を抱くかもしれません。
もちろんそうした業務も請け負います。しかし、それが全てではありません。
遺品整理士とは、遺品を整理するとともに、遺族=クライアントさんの意向に沿って、必要な各種専門業者さんをコーディネートする役割もあるのです。

前述の映画『アントキノイノチ』が公開される前から、遺品整理という仕事は存在していました。
ところがそのなかには、悲しい話ですが、大切な人を亡くした遺族の心の隙間を狙った悪質な業者が存在しているのもまた事実です。
そこで、遺品整理の需要が高まるなかで、奇しくも『アントキノイノチ』公開と時を同じくして、2011年9月に「一般社団法人 遺品整理士認定協会」が設立され、現在まで同協会の認定を受けた遺品整理士が、1万人以上も誕生しています。

ここで遺品整理という仕事について具体的に紹介する前に、まずなぜ遺品整理士の需要が高まってきたのか、その理由をご説明したいと思います。

なぜなら、それは現在の日本社会が抱える問題そのものでもあるからです。

日本が迎える「超高齢化社会」

平成26年(2014年)に厚生労働省が発表した、平成25年(2013年)国民基礎調査に基づく『グラフで見る世帯状況』では、次のような内容が示されました。
現在、日本の総世帯数は5011万2千世帯。戦後の昭和28年(1953年)、高度経済成長期の直前は1718万世帯ですから、この60年で3倍に増加しています。
しかし、現在の日本の総人口は1億2500万人。対して昭和28年の人口は8700万人なので、1.5倍の増加です。
なんだか計算が合いませんね。人口は1.5倍なのに、世帯数は3倍ーーここに日本社会の問題が隠れているのです。

同じく厚労省の『グラフで見る世帯状況』を見れば、その要因はハッキリします。この数字の違いは、まさに日本の核家族化を証明しているのです。

ここでは世帯の種類として

① 単独の世帯
② 夫婦のみの世帯
③ 夫婦と未婚の子のみの世帯
④ ひとり親と未婚の子のみの世帯
⑤ 三世代世帯
⑥ その他の世帯

の6種類に分けており、さらに②・③・④を「核家族世帯」としています。
現在、①単独世帯と②夫婦のみの世帯の割合が高まってきているというのです。少し細かく見ていきましょう。

総世帯数(①から⑥までの合計)を100とした場合、①単独世帯の割合は、昭和50年(1975年)の18.2パーセントから、平成25年には26.5パーセントへと上昇しています。
また、②夫婦のみの世帯も11.8パーセントから23.2パーセントへ。④ひとり親と未婚の子のみの世帯も4.2パーセントから7.2パーセントへと増えています。
反対に、一般的な形態と思われていた③夫婦と未婚の子のみの世帯は42.7パーセントから29.7パーセント、⑤三世代世帯も16.9パーセントから6.6パーセントへと減少しました。
④の増加に関しては、また別の社会問題も含んでいますが、いずれにせよ①から④までの世帯が全体の8割を超えているという事実は、見逃すことができません。

何かといえば、①と②の世帯において、高齢者の割合が年々高まっているのです。
近年「高齢化社会」を危惧する声が増している日本において、高齢者の核家族化が加速していることこそ、いずれ訪れる「超高齢化社会」の序章なのだと言えるでしょう。

ここでも細かく数字を見ていきます。
高齢者とは「65歳以上」と定義されていますが、そんな高齢者の①単独の世帯は、昭和50年の8.5パーセントから平成25年の25.6パーセントへ、②夫婦のみの世帯は13.1パーセントから31.1パーセントへと大幅に増加しています。
一方で高齢者が子夫婦と同居するケースは、この30年で30パーセント以上減少。
つまり、現在の日本は高齢者のみの世帯が増え続けているのです。

特にいわゆる「団塊世代」、第二次世界大戦直後の昭和22年(1947年)から昭和24年(1949年)の第一次ベビーブームに生まれた世代が、21世紀に入り定年を迎えたことも、この傾向に拍車をかけました。
加えて第2次ベビーブームに生まれた、「団塊ジュニア」もすでに40代から50代を迎えており、さらなる高齢化社会はもう目の前までやってきています。

高齢化社会

高齢化社会における遺品整理の重要性

現時点で日本の総人口における高齢者の割合は、25パーセントを超えたと言われています。今後はその割合がどんどん高くなります。
結果、高齢者の孤独死といった社会問題も生まれました。
高齢者の一人暮らしが増えると、誰か家族が看取ることなく、亡くなる方が増えているのです。
特に子や孫が、地方に住む親元を離れ、東京などに出ることが多い現代社会では、仕方のないことかもしれません。

そこで社会として大きな課題となっているのが、亡くなった方の遺品をどう整理するのか、ということです。

自分自身の生活を考えてみましょう。一人暮らしであれ、家族との同居であれ、生活していくうえでは多くの衣服、家具などが必要となります。
また地方の高齢者となれば、一軒家にお住まいの方も多く、そうなると土地関連の書類もあるはずです。
銀行口座の通帳や印鑑、クレジットカードなども生活必需品といえます。

想像してみてください。これら全てが突然、持ち主を失い遺されたとしたらーー
しかもあなたにとって大切な人が亡くなった直後、冷静に対応することができるでしょうか。
こうした状況が全国で、いつ発生してもおかしくないのが、現代の日本なのです。

遺品整理士という仕事は、そんな社会のなかで需要が高まっています。

この日本の現状を踏まえたうえで、遺品整理士の仕事内容について触れたいと思います。

遺品整理士の仕事内容

まず行わなければならないのは、遺品の分別と清掃です。
分別とは、故人が遺したもののなかから、ご遺族が引き取りたいもの、引き取らないものに分けます。

銀行の通帳、クレジットカード、土地の権利書といった貴重品

これは遺品整理において、最もご遺族から捜索を依頼されるもののひとつです。
特に大切なものなので、故人も他の人にわからない場所に置いていることが多く、これらの品を探し出すことは重要な業務です。

衣服や装飾品

故人の形見として引き取りたいものもある一方で、遺品の量が多いと全てを受け取ることができるわけでもありません。
そういった遺品は、鑑定士などに依頼し、査定のうえ買い取ってもらうこともあります。

家具、家電

これも同様です。特に家具や家電は一つひとつが大きな品になるので、リサイクル業者などに引き取ってもらうことが多くなります。

写真など思い出の品

こちらは引き取るか引き取らないかは、ご遺族あるいはその内容によって異なってくるでしょう。
見ているうちに故人への想いが甦ってくることもありますし、まずは思い出の品のみ分けておきます。

ごみ

これは文字通り「ごみ」です。「孤独死」や「突然死」であった場合、もちろん自宅は普段の生活そのままの状態であり、ごみも多数残されているはずです。

依頼した遺品整理士によっては、上記の作業を行うことができる資格を持っていない場合もあります。
その場合は、資格を持っている専門業者にお願いすることになりますが、各業者の手配も遺品整理士の仕事です。

故人の部屋を埋め尽くすようなごみが散乱していたり、あるいは遺体の臭いなどが染み付いているような状態だと、消臭や消毒なども含めた「特殊清掃」が必要です。
遺品整理士がその資格を持っていなければ、まず最初に特殊清掃業者を手配します。
自宅の汚れがひどければ、リフォームの必要性も生じるかもしれません。
前述のとおり、鑑定士やリサイクルなども遺品整理士自身が担当するか、他の業者を手配します。
お金の問題となれば、相続など法律も関わってきますし、到底遺族だけで対応できるものではありません。

とはいえ、遺族がそれぞれ専門業者に依頼することもあります。ただし、冒頭にも挙げたとおり、専門知識を持たない遺族の弱味につけこむ悪徳業者もいます。
遺品整理を行う際に最も多いトラブルは、お金に関することです。

遺品整理にまつわるトラブルと対策

ひとつは業者による高額請求です。作業の前に詳細な見積もりを提示せず、ざっくりとした金額を請求してくる業者は特に怪しい。
たとえ見積もりを出してもらったとしても、最初の提示額を安くして仕事を請け負い、作業後に高額の上乗せを要求してくる業者がいます。
家ひとつを整理する場合は、少なくとも数十万円かかります。規模によっては100万円を越えることもある。
見積もりの提示額が数万円単位であったら、その業者を疑う必要があります。

また、遺品を買い取ってもらう場合、安い査定額で買い叩かれるケースもあります。
故人が趣味で買い集めたものであれば、その価値がわかる人は多くありません。それはかつて生活を共にした家族も同じです。
そのため、遺族が詳しくないのをいいことに、たとえ価値が高い家具や装飾品、美術品なども安値で引き取り、転売しようとする業者がいるのです。
このような悪徳業者を見分けるポイントとして、同じように買い取り金額を示さず、「まとめて幾ら」と伝えてくる業者は怪しいと考えたほうがいいでしょう。

そもそも、中古品を売買するためには会社であれ個人であれ、「古物商」の許可が必要となります。許可を受けた業者は、許可番号が記された許可証が交付され、その番号を示して営業しなければいけません。
もし遺族として遺品の整理を依頼する場合は、まずこの許可番号を確認することをお勧めします。

しかしながら、たとえ古物商の許可を受けていたとしても、悪質な買い取りを行う業者もいるのが現実です。
もうひとつお勧めしたいのは、いくつかの買い取り業者から相見積もりを取ること。これは清掃など他の作業にも同じことがいえます。

相見積もりを取ることで、自然と相場もわかってきますし、結果的に高額な料金を請求する整理業者をあぶり出すこともでき、遺品を安く買い叩かれるのを回避することもできます。


データで示したとおり、日本は高齢化が加速しており突然、遺品整理の必要に迫られる可能性が高まっています。
とはいえ、いざ大切な人が亡くなった直後では、通常なら可能な判断を下すことも難しくなります。
遺族である自分自身だけでなく、故人の供養のためにも、事前準備として遺品整理に関する知識を身につけておきたいですね。

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