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法定相続人と計算方法は? 相続税についてわかりやすく解説します

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相続や遺贈などで財産を得ると、国に相続税を払わなくてはなりません。 超高齢化社会を迎えた日本では、いつ自分が遺産の相続者になるかわかりません。しかし、どんな財産に対していくらくらいかかるのか、税金の額の計算方法など、知らない人は多いのではないでしょうか?

さらに、税制改正により、平成27年以降に相続が発生した場合、平成26年以前よりも相続税がかかる人が増えています。
これにより、相続税は、より多くの人にとって現実的な税金となっています。
いざという時に困らないためにも、相続税について知っておきましょう。

相続税について知っておかないと大変です

相続税とは

相続税とはどんな税金?

相続税とは、相続が発生したときに課せられる国税です。
身内が亡くなったり、遺言などによって相続財産を受け取ると、遺産の総額に応じて相続税がかかります。

ただし、相続があっても、必ずしも申告や納税が必要となるわけではありません。
なぜなら、相続税には「基礎控除額」というものがあり、遺産の総額から借金や葬式費用を引いた金額「課税価格」が、基礎控除額を上回っていなければ、原則として申告の必要はなく、相続税もかかりません。

相続税はなぜ必要なの?

相続税--財産が親から子などに移るだけなのに、なぜ税金がかかるのでしょうか。
普段、私たちは色々な税金を支払っていますよね。収入からは所得税を払っていますし、商品やサービスを購入するときには消費税を払っています。
それなのに、親の財産を受け継ぐ時にまで税金を払わなくてはいけないのか、と思ってしまいますよね。

そこで、税務大学校が発刊している『税大講本』という資料を見てみましょう。
『税代講本』は国税職員が税法について学ぶ際に使われているもので、国税庁のホームページ上で公開されています。
この『税大講本』の相続税の項によると、相続税の機能は以下の2つです。

所得税の補完機能

故人(被相続人)が作った財産は、生前に受けた税制上の特典や、負担の軽減などによってできたものとし、これを相続開始の時点で清算します。所得税を補完するのが目的です。

富の集中を抑制する機能

相続人が得た遺産は、相続人本人が蓄積したものではなく、偶然得た富(不労所得)であるとしています。
そのため、一部を税として徴収することで、相続した人としなかった人との間に格差が生まれにくくし、富が一ヶ所に集中することを防ぐのが目的です。

所得税は、その時の政策によって課税されないケースもあります。そのため、そのままにしておくと、特定の家系・職業に富が集中してしまうことになります。
こうして、所得税が優遇されている人の家系はどんどん豊かになっていきます。すると、優遇されている人と、そうでない人の格差がどんどん広がって行ってしまうわけです。

格差を広げたいために相続税が存在する
相続税には、こういった問題をカバー・調整して、一ヶ所に富が集中することを抑制するという役割があるのです。

相続税は、どんなものに対してかかるの?

相続税は、現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、建物などのほか、貸付金、特許権、著作権など、経済的価値のあるすべてのものにかかります。
このほか、死亡退職金、被相続人が保険料を負担していた生命保険契約の死亡保険金なども課税対象となります。
また、

  • 被相続人から生前に贈与を受けて、贈与税の納税猶予の特例を受けていた農地や非上場会社の株式など
  • 相続人がいなかった場合に、民法の定めによって相続財産法人から与えられた財産

も課税対象となります。
さらに、

  • 相続や遺贈で財産を取得した人が、被相続人の死亡前3年以内に被相続人から財産の贈与を受けている場合
  • 被相続人の生前に、相続時精算課税の適用を受ける財産を贈与により取得した場合

などには、贈与された時点での時価が加算されます。

相続税がかかる人が増えている

相続税には「基礎控除額」というものがあり、その分を超えなければ相続税を払う必要はありません。ですが、税制改正によって基礎控除額が低くなってしまいました。以前は「うちは基礎控除額以下の財産しかないから、相続税は必要ないわ」と思っていた人も、今後は相続税を払わなくてはならないかも知れません。

例えば、3人で相続をする場合、平成26年以前では

5000万円+1000万円×3

と計算されたので、基礎控除額は「8000万円」です。
しかし、平成27年以降は、

3000万円+600万円×3

という計算方法に変わりました。このために、基礎控除額は「4800万円」に下がってしまったのです。
この税制改正によって基礎控除額が下がったために、相続税がかかる人が急増しました。
これまでは「うちは、そんなに財産がないから関係ないわ」と思っていた人も、今後、相続が発生したら、他人事ではなくなるかも知れません。

相続税を計算してみよう

相続に関する話をする時には、亡くなった人を「被相続人」、相続する人を「相続人」といいます。

相続をするのは、どんな人?

まず、どんな人が遺産を相続できるのかから見ていきましょう。

法定相続人

相続というと、ドラマなどで親族などが遺産争いをするようなイメージがありますよね。 しかし、親族誰にでも相続権があるわけではなく、相続人になれる人は法律で決まっています。
これを「法定相続人」といいます。

法定相続人は難しい?法定相続人になれる人は、順番が決まっています。
第1順位に当たる人がいない場合は第2順位の人、第2順位の人もいない場合は第3順位の人……というように資格が移っていきます。

また、それぞれの遺産の取得の割合である「法定相続分」も民放で定められています。 ただし、法定相続分は、相続人の間で遺産分割の合意ができなかったときの遺産の取り分であり、必ずこの相続分で遺産の分割をしなければならないわけではありません。
被相続人が遺言を残していた場合には、その内容に従います。

被相続人の配偶者

被相続人に配偶者がいた場合、配偶者は常に相続人となります。そのため、順位はつけられていません。
ただし、内縁の妻は法定相続人にはなれません。相続の資格がある人が配偶者のみである場合、配偶者が全てを引き継ぎます。
配偶者の他に資格のある人がいる場合は、配偶者とその他の相続人で遺産を分割することになります。

第1順位……被相続人の子供・孫

第1順位は被相続人の子供です。
子供が複数人いる場合は全員が法定相続人となり、相続分はその人数で均等に分けます。
被相続人に配偶者と子供がいる場合=配偶者と子供が法定相続人で、法定相続分は配偶者と子どもが2分の1ずつです。
子どもが複数いる場合には、子どもの相続分である2分の1を、子供の人数で割った金額が子供1人の相続分となります。

被相続人に配偶者がいない場合=子供しかいない場合は、子供だけが法定相続人となり、その人数で遺産全体を均等に分割します。
子供が実子ではない場合、被相続人と養子縁組していれば、実子と同様に法定相続人となります。養子縁組をしていない子供の場合は遺産の相続権はありません。
被相続人の子供がすでに死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供や孫など)が相続人となります。子供も孫もいるときは、死亡した人により近い世代である子供の方を優先します。

第2順位……被相続人の親・祖父母

被相続人に配偶者も子供もいない場合は、被相続人の親が法定相続人となります。
被相続人に配偶者がいた場合=配偶者と親が相続人となります。
法定相続分は、配偶者が3分の2、親が3分の1です。親が2人いる場合は、親の分の3分の1を2人で割ります。

配偶者がいない場合=親のみが相続人となります。親が2人いる場合には、2分の1ずつに分けます。
父母も祖父母もいるときは、死亡した人により近い世代である父母の方を優先します。

第3順位……被相続人の兄弟・姉妹

被相続人に子供や孫、親や祖父母がいない場合、被相続人の兄弟・姉妹が法定相続人となります。
兄弟・姉妹が複数いる場合には、法定相続分を兄弟・姉妹それぞれ均等に分けます。
配偶者がいる場合=配偶者が4分の3、兄弟・姉妹が4分の1です。この4分の1を、兄弟・姉妹の人数で割ります。
その兄弟・姉妹が既に死亡している場合は、その人の子供が相続人となります。

法定相続人以外の第三者

内縁の妻や子供の配偶者、養子縁組をしていない子供などは法定相続人になることができず、遺産を受け取る資格がありません。
でも、「事情で籍は入れていないけれど、長年連れ添った相手に遺産を分けたい」とか、「息子の妻が介護を頑張ってくれたから、遺産を分けたい」などというケースは多いものです。

法定相続人以外にも財産を贈ることができるまた、血縁ではないけれど、被相続人の世話をよくしてくれたような人に遺産を分けたいということもあります。法定相続人にはなれないこのような相手にも財産を残す方法があります。
それは「遺贈」という方法です。「遺贈」とは、遺言によって特定の人に財産を与えることです。この場合、財産を渡す人を「遺贈者」、財産を受け取る人を「受遺者」といいます。

「遺贈」では、親しい友人やお世話になった人など、血のつながりや家族関係のない相手にも財産をあげることができます。また、ボランティア団体などへの寄付なども認められています。
遺贈をするには、所定のルールに従って作られた遺言書が必要です。条件を満たしていないと認められないので、作成時には気をつけましょう。

遺贈をしたい場合でも、法定相続人の権利が消えるわけではなく、最低限の財産の取り分が保障される「遺留分」という制度があります。
さらに、遺贈の場合、受遺者の相続税は2割加算になります。また、受遺者は法定相続人ではないため、結果的に基礎控除額が低くなってしまいます。
こういったことからトラブルが発生することが多いので注意が必要です。

相続税を計算してみよう

相続税には、「相続税率」というものがあり、法定相続分に応じて税率が定められています。

法定相続分に応ずる取得額  税率  控除額
1000万円以下 10% 0円
3000万円以下 15% 50万円
5000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1700万円
3億円以下 45% 2700万円
6億円以下 50% 4200万円
6億円超 55% 7200万円

基礎控除額の計算式は

「3,000万円+600万円×法定相続人の数」

です。遺産総額から、この4800万円を差し引き、残った金額に相続税がかかるわけです。
遺産総額が1億円あるとし、いくつかのケースで相続税を計算してみましょう。(便宜上、端数は切り捨てています)

配偶者と子供が相続人である場合=相続の割合は配偶者、子供ともに2分の1

子供が2人いる場合だと、法定相続人の人数は3人なので、
3000万円+600万円×3=4800万円です。
1億円−4800万円=5200万円
つまり、この5200万円に相続税がかかる(課税対象額)ことになります。
課税対象額のうち、配偶者が相続するのは
5200万円÷2=2600万円

子供が相続するのは、
5200万円−2600万円=2600万円
子供が2人なので
2600万円÷2=1300万円
となります。

この額を上記の税率の表に当てはめます。
配偶者は、
2600万円×15%=390万円
さらに、ここから控除額を引いて
390万円−50万円=340万円
つまり、配偶者が払う相続税は340万円です。

子供は
1300万円×15%−50万円=145万円
子供1人が払う相続税は145万円となります。

法定相続人を決めるために家系図が必要

配偶者と直系尊属が相続人である場合=相続の割合は配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1

直系尊属が3人いるとして考えてみましょう。
基礎控除額は
3000万円+600万円×4=5400万円
課税対象額は
1億円−5400万円=4600万円
課税対象額のうち、配偶者が相続するのは
4600万円×3分の2=3067万円

直系尊属が相続するのは、
4600万円−3067万円=1533万円
3人なので
1533万円÷3=511万円
となります。

この額を上記の税率の表に当てはめます。
配偶者は、
3067万円×20%−200万円=223万円

直系尊属は
511万円×10%−0円=51万円
という相続税を払うことになります。

配偶者と兄弟・姉妹が相続人である場合=配偶者が4分の3、兄弟・姉妹が4分の1

兄弟・姉妹が4人いたとして計算してみます。

基礎控除額は
3000万円+600万円×5=6000万円
課税対象額は
1億円−6000万円=4000万円

課税対象額のうち、配偶者が相続するのは
4000万円×4分の3=3000万円

兄弟・姉妹が相続するのは、
6000万円−3000万円=3000万円
4人なので
3000万円÷4=750万円
となります。

この額を上記の税率の表に当てはめます。
配偶者は、
3000万円×15%−50万円=399万円

直系尊属は
750万円×10%−0円=75万円
という相続税を払うことになります。

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