トラブル

遺品整理のトラブル-2 相続問題

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遺品整理に関するトラブルで最も多いのは、お金にまつわることです。
なかでも法的な部分の比重が大きい相続のトラブルは、問題が長期化すればするほど複雑になり、解決が困難になる可能性が高い。
そこで遺品整理に臨む時は、相続についてよく把握しておく必要があります。

「相続」とは人が死亡した時に、故人の財産を近親者が受け継ぐことを言います。
受け継ぐ近親者を「相続人」、相続の対象になる財産を「遺産」と言い、相続人が2人以上いる場合は、遺産を相続人で分けることになります。
相続で受け継がれる財産には、次のものがあります。

・預貯金、株式、投資信託などの金融資産
・家や土地など不動産
・美術品、骨董品
・自動車
・家材道具
・損害賠償金や慰謝料請求の権利
・借金などの債務

相続を考えるうえで、注目すべきは最後の2項目でしょう。
たとえば故人の死因が交通事故である場合、加害者がいれば賠償金を請求できる権利を相続することができます。
一方、借金も相続の対象となり、それのみを相続拒否することはできません。
もし借金などマイナス遺産の金額が、それ以外のプラス遺産の総額を上回るようであれば、相続を拒否したほうが良いことになります。
あるいは、相続には相続税が掛かり、遺産によってはこれがかなりの高額になることもあります。その場合も、相続を拒否するかどうか検討が必要です。

遺品整理のトラブル 2.相続問題

相続トラブルの要因①相続人

法律で定められた「法定相続人」になれるのは、亡くなった人の配偶者が最優先され、続いて第1順位が子、第2順位が親、第3順位が兄弟・姉妹となります。

配偶者は法律上の婚姻関係にある夫や妻に限られ、事実婚や内縁関係にある妻や夫は相続人になることができません。
東京都渋谷区をはじめとして同性婚条例を施行している自治体もありますが、これはあくまで法律上の結婚とは異なり、「異性間の婚姻に近い形」であり、同姓婚条例におけるパートナーも相続人とは認められません。
相続の順位は、まず第1順位である子が亡くなっている場合は、孫などの代襲相続人が相続人となります。
さらに子も孫もいない場合は親、親が亡くなっている時は祖父母が相続人に。子、孫、親、祖父母がいない場合のみ、故人の兄弟・姉妹が相続人になります。

ここでトラブルとなる要因は、相続の割合です。
相続人が1人であれば、遺産は全てその相続人に受け継がれます。複数いる場合は、遺言書による指定がなければ、次の割合で遺産は分けられることになります。

・配偶者と子が相続人になる場合 それぞれ2分の1ずつ
・配偶者と親が相続人になる場合 配偶者が3分の2、親が3分の1
・配偶者と兄弟・姉妹が相続人になる場合 配偶者が4分の3、兄弟・姉妹が4分の1

同じ順位の相続人が複数いる場合は、この割合の中で均等に分けます。
この分割について話し合うことを「遺産分割協議」と言い、話し合いがまとまったら「遺産分割協議書」を作りましょう。
各相続人ごとに氏名、相続する財産の内容、日付を明記し、署名と押印します。
遺産分割協議書を作らなければならないという法的義務はありませんが、作っておけば相続人の間でトラブルが起こった時に役立ちます。
また、財産の名義変更に遺産分割協議書が必要となるケースもありますので、遺族の間でしっかりと話し合って作成しましょう。

相続トラブルのもと②相続の種類と判断

相続には、1)単純承認、2)限定承認、3)相続放棄の3種類があります。

1)単純承認

これはプラスの財産もマイナスの財産も含め、全ての遺産を相続することです。
プラスの財産の金額が、マイナスの財産の金額を上回っていれば、それほど問題はないかもしれません。
しかしここで、相続トラブルが起こりうる最初の壁があります。単純承認で注意しなければならないポイントは次の2つです。

・亡くなってから3カ月以内に限定承認もしくは相続放棄の手続きを行わなければ、単純承認の意思有りとみなされる
・故人の預貯金など遺産を使ってしまうと、その時点で単純承認したものとみなされる

故人の通夜、葬式を終え、四十九日を済ませ……としているうちに、すぐ相続に関する期限がやってきてしまうのです。
葬式やお墓の費用に故人の遺産を使うことは少なくありませんが、その時点で単純承認、つまりマイナス遺産も受け継ぐことになります。

2)限定承認

とはいえ、亡くなった直後で故人の遺産がどれだけあるのか、全体を把握していない状態で相続を決めるのには不安もあるでしょう。
そんな時のために「限定承認」という方法があります。
これは相続によって得られるプラス財産の範囲でのみ、マイナス財産(債務)も引き継ぐというもの。つまり、プラス財産の範囲内で債務を弁済することになります。
ただし限定承認は、相続人全員で家庭裁判所に申し出なければいけません。

3)相続放棄

文字通り、プラス財産もマイナス財産も、全ての相続を放棄することです。
マイナス財産の額がプラス財産の額を上回っている場合、相続放棄を選択するほうが望ましいかもしれません。
これは限定承認と異なり、各相続人が単独で家庭裁判所に申し出ることができます。

相続の決定に関する最大のポイントは、やはり亡くなってから3カ月の間に決定しなければならない点でしょう。
一般的には最初から全て相続する意思があり、何もせず単純相続となることが多いようです。
しかしながら原則的には、一度決定した相続方法を後に変更することはできないので、注意が必要です。

相続税・贈与税について知っておこう

財産を相続するかどうかを決めるために、もうひとつ知っておきたいのが「相続税」です。
国税庁のサイトでは、相続税について次のように定義されています。

「相続税は、相続や遺贈によって取得した財産及び相続時精算課税の適用を受けて贈与により取得した財産の価額の合計額(債務などの金額を控除し、相続開始前3年以内の贈与財産の価額を加算します。)が基礎控除額を超える場合にその超える部分(課税遺産総額)に対して、課税されます。この場合、相続税の申告及び納税が必要となり、その期限は、被相続人の死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です」

原則的に、相続で得た財産のうち、経済的価値がある物には全て相続税が掛かります(例外もあり)。
また、相続税とともに贈与税も知っておかなければいけない税制です。
この2つの税の違いは

相続税…被相続人の死亡によって相続により生じた財産に課される税金。
贈与税…個人の贈与により生じた財産に課される税金。

というものです。
たとえば高額となる相続税の支払いが厳しいことを見越して、生前に財産を他の人(家族・親族を含む)に贈与すると、贈与税が発生します。

相続や贈与で取得した財産を「寄付」するという形もあります。
「相続や遺贈によって取得した財産を国や、地方公共団体又は特定の公益を目的とする事業を行う特定の法人などに寄附した場合や特定の公益信託の信託財産とするために支出した場合は、その寄附をした財産や支出した金銭は相続税の対象としない特例があります」
(国税庁ホームページより)

いずれの形を選択しても、税金を支払うことに変わりませんが、その計算式は複雑です。
相続の決定にも必要な情報となるので、早めに税務署もくしは税理士に相談しましょう。

相続トラブルの要因③不動産

遺品整理、相続の手続きの次に、不動産の名義変更(相続登記)を行います。
相続人への名義変更がされていないと不動産の売却はできませんし、建物のも取り壊しもできません。
相続登記は相続人全員の実印と署名が必要となります。
これを怠ったことにより生じるトラブルは、遺品整理のトラブル①空き家問題 に詳しいので、ぜひご一読ください。

相続トラブルに巻き込まれないためには

ここまで主な相続に関するトラブルの要因を挙げてきました。
ではどうすれば相続トラブルを避けることができるのか。そのポイントをご紹介します。

1)財産の確認

親御さんが亡くなった時には、まず財産がどれだけあるのかを調べましょう。
注意しなければならないのは、預貯金の通帳やカードです。キャッシュカードでお金を引き出していると、通帳記入をしていない可能性があります。
すると通帳に記されている金額と実際の残高が異なることもあり、金融機関で確認しておかなくてはいけません。

故人の死亡届が提出された時点で、口座を凍結する金融機関もあります。
これは金融機関側から、ひとりの相続人が他の相続人の承諾なく預貯金を引き出し、トラブルが発生することを防ぐための処置です。
そうなると相続内容を確定させ、必要書類を金融機関に提出しなければ、口座の凍結を解除することはできません。
死後であれば早急な財産の確認が必要となりますが、生前にエンディングノートなどを活用して、親御さんの預貯金がいくらあるのかを確認しておくと、相続手続きもスムーズに行うことができます。

2)相続人の確認

故人の、生前の人間関係を調べ、把握しておくことも重要です。
特に親族関係を調べておかなければ、予想もしていない人に相続の権利が発生していた……なんてケースもあります。
特に相続の限定承認は相続人全員で家庭裁判所に申し出なければいけませんし、前述の遺産分割協議、ならびに遺産分割協議書の有効性も損なわれてしまいます。
これも生前に、エンディングノートで親、祖父母、兄弟・姉妹を確認することはもちろん、家系図を作っておくと、どんな事態が起こっても安心です。

名義変更などその他の法的手続きが必要なもの
不動産、銀行口座、については、上記のとおり早めに名義変更しておきましょう。
故人の自動車は相続人全員の共有物となります。しかし相続・廃棄・譲渡のどの場合でも、まず相続の手続きを行わなければいけません。
生命保険も請求できる期限と、請求のために必要な提出書類があります。
故人名義の株式は死亡届が提出された時点で売買できなくなってしまいます。

3)遺言書の確認

相続で最も重要視されるのは、遺言書の有無と、あればその内容になります。
法的には遺言書の内容が最優先されます。
株式の話で言えば、売買ができなくなった株式は、遺言や遺産分割協議によって相続人が確定された後、名義を故人から相続人に書き換えることになります。
その内容によっては、相続人以外に財産を贈与(遺贈)することもあります。
親御さんが亡くなった時には、まず遺言書があるかどうかを確認しましょう。

遺産整理は相続が終わってから進める

遺品整理において忘れてはならないのは、「遺品整理は相続が全て終わってから進める」ということです。
手続きの前に遺品整理を行うと、「単純承認の意思有り」とみなされることもあります。
あるいは他の遺族が相続するはずだったものを、間違って自分が整理する時に売却してまう、というトラブルも起こります。
孤独死の現場は、いち早く作業を行わなければ、近隣の方々に迷惑をかけてしまう状況であることも多いでしょう。それでも相続のことは常に頭に入れておくか、同時信仰で手続きを進めておくほうが良いかと思います。
突然死も同じですが、このような相続トラブルをできるだけ避けるためにも、事前にーー生前から遺品整理にまつわる準備を進めておいてください。

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