供養につい

仏壇じまいの方法と事前に確認しておきたいこと

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仏壇は、ご先祖さまの位牌や霊をお祀りする場所です。
しかし、その仏壇を処分しなくてはならなくなることがあります。
家じまい、墓じまいなどと同様に、仏壇にも仏壇じまいをする時がくるのです。
とはいえ、日々、お供えものやお花をあげ、線香やろうそくをつけ、大切にお世話をしてきたものだけに、処分となると、どうすればよいか悩む人も多いのではないでしょうか。
今回は、仏壇の処分について見ていきましょう。

仏壇にてを合わせる女性

仏壇とは?

まず、仏壇や位牌の意味について、おさらいしておきましょう。

仏壇とは?

豪華な仏壇

日本の寺院で仏像を安置している扉付きの厨子や、須弥山をかたどった須弥壇のことを仏壇といいます。
現在の日本で「仏壇」と言えば、仏像や掛け軸、祖先の位牌などを安置して供養する家屋内の厨子を思い浮かべる人がほとんどでしょう。
家庭にある仏壇は、各家庭内で礼拝・供養を行うことができるため、「家の中の小さな寺院」とも考えられています。
また、家庭にいながらご先祖さまを供養できる、ご先祖さまの家のような存在という側面もあります。
仏壇は、仏壇本体、本尊、位牌、仏具などで構成されます。

本尊

本尊とは、仏教寺院や仏壇において信仰対象物となる仏像や掛け軸のことです。
本尊は各宗派の教えを具象化したもので、家庭の仏壇では中央に本尊を祀ります。
ただし、宗派や地域性によって祀り方が異なります。

位牌

位牌は、故人の霊魂が宿る場所であり、亡くなった人の象徴となるものです。
故人の戒名や亡くなった日付、生前の名前(俗名)などが記されています。

仏具

仏壇を仏壇らしくするには、本尊や位牌のほかに仏具が必要です。
本尊や位牌をはじめ、花立や燭台、香炉などの仏具を飾ってはじめて、仏壇は完成するのです。
基本は香炉・花立・燭台です。これを三具足といい、仏具の基本となります。
中央に香炉を置き、向かって右側に燭台、左側に花立を置きます。
また、花立と燭台が対となっているものを五具足といい、中央に香炉、その両脇に燭台、さらにその両脇に花立を飾ります。
このほか、ご飯を盛る仏飯器、お茶や水を備える茶湯器、お供えを載せる高坏、リンや木魚、過去帳なども仏具の一つです。

仏壇を処分するのは、どんなとき?

仏壇を処分する

仏壇を処分しなければならなくなるのは、どんなタイミングなのでしょうか。

遺品整理

その家を所有する一人暮らしの高齢者が老人ホームなどの高齢者施設に転居したり、亡くなったりした場合です。
特に、引き取る側がマンションなどスペースが限られた家である場合、大型の仏壇を移すことは難しいでしょう。
また、仏壇をそのまま実家においておくのであれば、定期的に手入れをしに行かなくてはなりません。
その結果、処分を検討することになります。

仏壇の買い替え

引っ越しやリフォームを機に、新しい部屋の雰囲気に合わせた仏壇に買い替えるというケースです。
住宅事情から、従来の大型の仏壇から小型に買い替える人が多いようです。
近年は、現代的なモダンなデザインの仏壇が数多く登場し、インテリアにも馴染むようなものが増えています。

仏壇が2つになってしまった

結婚して実家を離れていた子どもが、親の死去によって実家の仏壇を受け継ぐことに。
しかし、嫁ぎ先にも仏壇があるため、2つもの仏壇を所有することになったというケースです。
このような時、どちらかを処分する場合や、両方とも処分して新しく仏壇を購入し、そこに両家の霊をまとめてしまう場合などがあるようです。

仏壇じまいの方法その① 閉眼供養

仏壇を処分する際、まず最初にしなくてはならないのが「閉眼供養」です。
閉眼供養とは、僧侶を招いて読経してもらい、仏壇に宿っている仏の魂を抜く儀式です。
本来「閉眼」とは“仏像の目を閉じる”という意味です。魂の宿るものを単なる“物体”にすることで、「魂抜き」「お性根抜き」ともいいます。

仏教の多くの宗派では、新しく仏壇を購入したり、仏壇を移動させて初めて家に入れたりした際に、「開眼供養」という供養儀式を行い、霊を仏壇に入れます。
仏壇を処分する際には、この時に入れた霊を抜くわけです。
霊が入っている対象物は、宗派により多少考えの違いはありますが、本尊(仏像や掛け軸)、位牌、遺影写真、過去帳などです。

では、閉眼供養はどこに依頼すればよいのでしょうか。

菩提寺に依頼する

どこかの寺院の檀家になっている場合は、菩提寺へ供養を依頼します。
そのお寺の僧侶に家まで来てもらい、仏壇の前でお経をあげてもらいます。
菩提寺の場合は、知っている僧侶に来てもらえるので安心です。
この場合、お礼としてお布施が必要になります。
閉眼供養のお布施の金額は、一般に1~5万円程度が相場ですが、お寺によって異なります。
また、お車代などが必要な場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

僧侶手配サービスを利用する

菩提寺がない場合は、僧侶を紹介してもらえる僧侶手配サービスを利用するとよいでしょう。
どのような僧侶が来るかわからないというデメリットはありますが、1回の身の供養を引き受けてもらうことができ、のちのち檀家関係などが続くこともありません。
また、お布施の金額が一律で明確なであることもメリットです。僧侶手配サービスのお布施の相場は、3〜5万円程度です。

仏壇処分専門業者に依頼する

仏壇じまいで来た僧侶

檀那寺や僧侶手配サービスの場合、閉眼供養を行ったあと、仏壇を持って行ってはもらえません。
そこで、供養後の仏壇引き取り処分を同時に依頼したい場合は、仏壇処分専門業者に依頼する方法があります。

僧侶に自宅に来てもらう

僧侶を手配してもらい、自宅で供養してもらい、その後、業者が仏壇を引き取ってくれます。
引き取られた仏壇は、適切な方法で処分されます。

業者のもとで供養をしてもらう

僧侶に自宅に来てもらいたくない場合は、仏壇を先に引き取ってもらい、業者の供養場で供養と処分を行う方法もあります。
供養証明書の発行や、供養状況を写真や動画で確認できるサービスも行われています。

供養対象物を送付して供養してもらう

供養の対象となる本尊(仏像や掛け軸)・位牌・遺影写真・過去帳などを業者に送付して、魂抜き供養をしてもらうという方法もあります。
自治体の回収を利用するなど、仏壇本体を自分で処分できる場合は、この方法が経済的です。
また、仏壇がすでになく、位牌や遺影写真だけが手元に残っている場合にも適しています。

これら業者のサービス料金は、3〜7万円程度です。仏壇の大きさや依頼内容によっても異なりますので、事前に確認しておきましょう。

仏壇じまいの方法その② 仏壇本体の処分

閉眼供養を行った後に残った仏壇は、どのように処分すればよいでしょうか。

寺院で供養してもらう

菩提寺に依頼すると、お焚き上げ処分をしてもらえます。菩提寺がない場合、檀家以外は断っている寺院もあります。
しかし、近年は環境問題からお焚き上げをしていなかったり、引き取り自体をしていない寺院もあるため注意が必要です。

仏壇店で供養する

仏壇じまいをしてくれる仏具店

仏壇を購入したお店がわかれば、そこで引き取ってもらうことができます。
引き取りから供養まで任せることができるので安心です。
仏壇の種類や大きさによって費用は変わりますが、処分だけなら1〜3 万円、供養も含めると4〜7万円ほどで依頼できるところが多いようです。
また、仏壇の買い替えの場合はさらに安価に下取りをしてもらえることもあります。

自治体の回収を利用する

仏壇は、自治体でゴミとして処分することができます。
分類は自治体によって異なりますが、タンスや食器棚のような大型家具と同様、粗大ゴミ扱いにしている自治体が多いようです。
ほかの処分方法と比べると、費用が安く済みます。
また、パーツごとに細かく分解し、材質を分けて処分すれば、通常の可燃ゴミ・不燃ゴミとして処分することもできます。

遺品整理業者を利用する

困った時には、遺品整理業者に相談するのも良い方法です。
遺品整理業者では、自宅での供養はもちろん、引き取り後の供養も行っています。
また、遺品整理を依頼すれば、同時に仏壇を引き取ってもらうことも可能です。
近年、日本の仏壇は海外で美術品として人気があるため、海外へのルートを持つ業者もあります。
処分するのではなく、誰かのもとで大切にしてもらえるという可能性もあるので、相談してみるとよいでしょう。

まとめ

仏壇を処分するには、閉眼供養が必要です。
もし、閉眼供養をしないまま仏壇を処分すると、故人の魂ごと処分することになってしまいます。
そのため、処分前には必ず閉眼供養を行いましょう。

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