生前準備

ペットを残して死ぬ前に、あなたができること

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かわいい表情や仕草で、和ませてくれるペット。ペットは、毎日の暮らしに癒しと潤いを与えてくれる存在ですね。

最近では、ペットと触れ合うと、心を穏やかにしてくれるホルモンが分泌され、心身ともに健康になれるということが分かってきています。
犬や猫などのペットは、飼い主にとって、「家族」「うちの子」であり、「人生のパートナー」ですね。

しかし、悲しいことですが、必ずくるのがお別れです。
もしも、この子を残して先に逝くことになったら・・・。
飼い主にとっては、夜も眠れなくなるほどの大問題です。

そこでペットが亡くなる前に、どのような対策が取れるのかについて見ていきます。

飼い主がいなくなったら、ペットはどうなる?

飼い主が亡くなったり、施設への入所などで世話できなくなったペットは、一体どうなるのでしょうか?

飼い主に代わって面倒を見てくれる人がいない場合、管理センターや愛護センター(保健所)に引き取られることになります。
センターでは定期的に譲渡会を開き、ペットを飼いたい人とのマッチングを行っています。

ここで新しい飼い主が現れればいいのですが、現れなかった場合は、残念ながら殺処分されてしまうことになります。
しかも、安楽死ではない方法が取られているのです。

健康な犬・猫でも、全部が全部、新しい家族に巡り会えるわけではありません。
まして、人になつかない、病気や怪我、障害を負っている犬・猫、また老犬や老猫の場合、新しい飼い主はまず見つかりません。
こうして、動物管理センターに引き取られた犬猫の約95%が殺処分の対象となっているのが現状です。

2016年には、全国で5万頭以上が殺処分されたそうです。

飼えなくなったペットを殺処分させないためには?

やむを得ない事情で飼えなくなったとき、大切なペットを手離すのは、まさに断腸の思いです。
自分は一緒にいられなくても、せめて不自由ない生活をさせ、天寿を全うさせてあげたい。
そのためには、どんなことをすればよいのでしょうか?

里親を探す

全国にある動物の保護団体やサークルでは、飼えなくなってしまった犬・猫を引き取り、里親を探す活動を行っています。

このような活動を行っている団体は全国にあります。
インターネットで検索してみましょう。

団体によって考え方や活動内容が異なります。
何事も相性がありますので、じっくり探し、検討しましょう。

  • 保護犬・保護猫カフェ
  • 老犬・老猫ホーム

保護犬・保護猫カフェ

また、最近では、やむを得ない理由で飼えなくなった犬・猫たちの里親探し(譲渡会)とカフェが一体となった施設「保護犬・保護猫カフェ」が増えています。

「保護犬・保護猫カフェ」は、お茶や会話を楽しみながら、保護犬・保護猫たちと触れ合うことができる施設です。
もともとは、保護犬・猫の現状を理解してもらうために作られました。
ここで、犬・猫たちと実際に触れ合い、気に入れば、里親として迎えることができます。

今すぐペットと離れるわけではなくても、このような施設をいくつか知っておくと、いざという時に相談することができます。

老犬・老猫ホーム

引き取り手のない犬・猫たちが天寿を全うする場として、老犬・老猫ホームがあります。

また、障害を持って生まれてきたり、傷病を負っている犬・猫、人になつかない犬や野良猫なども暮らしています。

こういった施設では、ペットたちの運動や散歩、グルーミングや体のケアはもちろん、排泄や食事の介護、認知症への対応、寝たきりになった場合の介護など、最後までペットのケアを行ってくれます。
施設によってサービス内容は異なりますが、一般的にいつでも面会に行くことができます。

終生、ペットとともに暮らすには?

里親なり施設なり、ペットがどこかに引き取ってもらえれば、一応、安心はできますが、やはり同じ空間で生活をしたいのが本音ですよね。

近年、犬・猫と一緒に入居することができる特別養護老人ホームが話題になっています。
通常のフロアとは別にペット対応フロアが設けてあり、ペットと一緒に暮らしたい人は、このフロアに入居します。

ここでは、予防接種などの管理や犬の散歩などを、ボランティアの協力で行っています。
また、飼い主が認知症になったり、亡くなったりして世話ができなくなっても、ホームのスタッフが一生面倒をみてくれるので安心です。

そのため、飼っていたペットと一緒に入居するだけでなく、入居後にペットを飼い始めることもできます。
動物が好きでも、70〜80代になると先を考えて飼うことを諦める人がほとんどですが、ここでは高齢になってからでもペットとの生活を楽しめます。
入居してから保護犬を引き取った人もいるそうです。

このような施設はまだ多くありませんが、今後、団塊の世代が年を取り、後期高齢者が飛躍的に増えることを考えると、こういった施設も増えて行くのではないでしょうか。

ペットのための制度は?

ペットが残された場合、確実に世話をしてもらうために、以下のような制度があります。

  • 負担付遺贈
  • 負担付死因贈与
  • ペットのための信託契

負担付遺贈

「負担付遺贈」とは、飼い主の死後、残されたペットの新しい飼い主になることを条件として、財産の一部または全部を遺贈する(相続させる)ことです。

相続させる相手(受遺者)は、法定相続人(配偶者と血族)でも、それ以外の第三者でもOKです。
もし、家族以外にペットが懐いている人がいれば、その人に相続してもらうといいかもしれませんね。

負担付遺贈を行うには、飼い主がこの内容の遺言書を書きます。
遺言をきちんと実行されるよう、遺言執行者を指定することも多くあります。

遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために必要な手続きをする人のことで、もしも、受遺者がペットの飼育を行っていないなど遺言を守っていない場合、改善請求をすることができます。
請求をしても改善されない場合は、遺贈の取り消しを家裁に申し立てることができます。

ただし、注意しなければならない点があります。
それは「受遺者は遺贈の放棄ができる」ということです。

依頼された人が「ペットの世話はできない」と断る場合があるため、あらかじめ相手の承諾を得ておかないと、ペットの行き場がなくなってしまいます。

また、法定相続人は、遺言に関係なく財産の一定割合をもらうことができます(遺留分)。
ペットの飼育費用が争いに巻き込まれないよう、負担付遺贈の額は遺留分を考えて決めましょう。

負担付死因贈与

負担付死因贈与

「負担付死因贈与」とは、一定の義務を負担することを条件に、財産を贈与する契約です。
この場合は、飼い主の死後、ペットの飼育をすることを条件に、新しい飼い主となる人に財産を相続させます。

「負担付遺贈」は、遺言という形での、飼い主の一方的な行為ですが、「負担付死因贈与契約」は飼い主と新しい飼い主さまとの間に結ばれる『合意契約』です。

贈与契約は、一方の意思だけでは成立しません。遺言書である負担付遺贈との違いは、どちらかから一方的に取り消せないことです。
そのため、負担付死因贈与であれば、受遺者も契約の内容がしっかり把握できます。

また、契約内容を履行できた場合には、特別な理由がない限り契約の撤回はできません。
逆に、受遺者がペットの飼育をしなかった場合は、財産はもらえません。

ペットのための信託契約

「負担付遺贈」と「負担付死因贈与契約」は、飼い主の死後に発効するものです。
病気になったなど、飼い主は生きているけれどペットの飼育ができない状態になったときには、「ペットのための信託契約」を使うとよいでしょう。

ペットのための信託契約は、「ペットの未来(生活)を、新しい飼い主を信じて託す」個人間で行う信託契約です。
飼い主が元気なうちに、ペットやその飼育費用を新しい飼い主(受託者)に託すもので、現金とペットを「信託財産」と考えます。
ペットのための信託契約は、飼い主が「ペットと暮らせなくなったとき」、「亡くなったとき」のどちらにも対応可能です。

受託者はペットを飼育し、信託契約で定められた飼育費を受け取ることができます。
ペットとともに信託された現金は、信託契約により、ペットの飼育費以外の用途に使えません。

また、飼い主の死後も契約は継続するので安心です。
さらに安心なのは、受託者がペットの飼育ができなくなった場合に備えて、複数の人と契約を結ぶことができることです。

また、受託者は、ペットの飼育費を管理して、実際のペットの飼育を別の人や施設に委任することもできます。
つまり、どのような形でも、ペットの飼育状況を確保できるというわけです。

ただし、契約なので、判断能力がない場合は契約することができません。
また、受託側も、判断能力がない人や未成年者は契約することができないので注意しましょう。

まとめ

どんなに大切なパートナーでも、必ずお別れの時は来ます。
でも、自分が看取ることはできなくても、最後まで元気に天寿を全うしてほしいですよね。

ペットを飼う人が増えている今、ペットの将来について考えておくのも大切です。
生前整理の一環として、考えてみてはいかがでしょうか。

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