遺品整理業

故人の入れ歯、そのまま捨てて大丈夫?

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健康は、毎日の食事から。
そして、毎日おいしく食事をとるためには、健康な歯が大切です。
でも、年齢を重ねると、歯が少なくなってしまう人も。部分、全部にかかわらず、入れ歯を入れる人も多いようです。
この入れ歯、持ち主が亡くなってしまった場合、どうすればよいのでしょうか。
捨てる? それとも、故人の口にはめてあげる? でも、そのまま火葬してしまって大丈夫なのでしょうか?
今回は、意外と知らない、故人の入れ歯の処分方法について見ていきましょう。

故人の入れ歯

1.入れ歯は何でできているの?

入れ歯の基本的な素材は、プラスチックです。
部分入れ歯の場合、それだけでは外れやすくなるため、金属製のバネを使います。

基本的に、総入れ歯も部分入れ歯も保険適用内で作ることができますが、作る前に、保険診療で受けるか、保険外の自由診療(自費)で受けるかを選択することになります。
保険内での診療は、費用負担が少なくて済みます。
ただし、噛むという基本的な機能回復を目的としているため、審美性や耐久性はあまり考慮されません。
それに対し、自由診療で作る場合は、土台にシリコンや金属、人工歯にセラミックなどを使うことができます。
種類により耐久性は違いますが、20~30年ほど使い続けられるものもあります。
部分入れ歯では、白く目立たない素材のバネや、バネのない入れ歯をつくることもできます。
自由診療では費用が多くかかってしまいますが、素材の選択肢が広がり、審美性や耐久性も加味できます。

金属床の入れ歯

一般的な保険適用範囲内では、土台となる部分はプラスチックが主材料となりますが、自由診療では、この部分を金属(チタン、金合金、コバルトクロムなどの合金)で作ることができます。
プラスチックよりも薄くすることができるため、しゃべりやすかったり、違和感が少なくなることもあります。
耐久性に優れており、清潔で維持しやすいですが、非常に高価です。

バネのない入れ歯

部分入れ歯の場合、金属製のバネが必要になります。
しかし、土台が弾性に富んだ特殊プラスチック素材からできており、金属バネなしで固定するものもあります。
金属製のバネがないことで、見た目の美しさを保つことができます。

痛くない入れ歯

通常のプラスチック素材でできた入れ歯の粘膜面に、ソフトレジンを使用したもの。
体温に近い温度で軟らかくなるため、入れ歯を入れても痛みがありません。

金の入れ歯・被せ歯

金は体に優しく、アレルギー反応の起きにくい安定した素材で、500年以上前から歯科診療に使われています。
天然歯に近い硬さのため、自然な噛み合わせができます。
適合性に優れているので、被せ物と歯との境目から虫歯になる確率も低く、耐久性にも優れています。
場所や状態によっては金が目につかないように治療することもできます。

遺体に入れ歯はOK? NG?

生前、楽に食べたり話したりできたのは、入れ歯のおかげ。
遺族としては、故人があの世で食事ができなくて困るだろうと、入れ歯を口に入れてあげることがあります。
また、入れ歯が入っていないと口元がへこんだり開いたりしてしまい、故人の顔つきが生前と変わってしまうので、入れ歯を入れてあげたいと思う遺族も多いようです。
しかし、入れ歯を入れてその場はホッとしても、荼毘に付すまでの間に、故人の顔の印象はだんだん変わっていってしまいます。
中には強引に入れたために、上手く装着されていないケースや、喉の奥にと落ちてしまって入れ歯の意味をなしていないケース、はまっていないどころか、飛び出して出っ歯になってしまうケースも。
もちろん、入れ歯を入れたまま、最後まで違和感なく旅立つ故人もありますが、お肌や顔の筋肉がしっかりしている若い人であることがほとんどです。

特に、しばらくつけていなかった入れ歯は、つけると違和感が出やすいようです。
入れ歯はプラスチックなどの人工素材なので、痩せた歯茎や、亡くなって弾力を失った皮膚、重力で落ちた頬などには合わせてくれません。
たとえ、歯茎にぴったりはまったとしても、口を閉じると出っ歯に見えたり、口が大きく見えたりするなど、違和感が出てしまうのです。
また、時間が経って死後硬直が緩むと、口が開いてきたり、入れ歯があることで閉じられなくなる可能性が高くなります。
そのため、入れ歯に対してこだわりが特にないようなら、入れ歯は入れず、含み綿で整える方が自然に見えるようです。

また、ご遺体に入れ歯を入れて火葬をすると、口元で焼け残ってしまうことがあります。
素材のプラスチックなどが溶けて大切な喉仏に付着したり、傷つける恐れがあるので、おすすめできません。
火葬場でも、入れ歯は外してくださいと言われることがあります。
ご遺体に入れ歯を入れるかどうかは、納棺師さんや火葬場、葬儀社とよく相談しましょう。

入れ歯はどう処分すればいいの?

ご遺体の口に戻さなかった入れ歯は、後に残ってしまいます。
かと言って、持っているのも困ってしまいますよね。
入れ歯はどのように処分すればよいのでしょうか。

お棺に入れる

入れ歯は、ご遺体とともにお棺へと納められることがあります。
その場合、入れ歯はケースから出して、燃え残らない紙や綿で包みましょう。また、高熱で骨にくっつかないよう、身体からできる限り離して納めます。
ただし、入れ歯を納められない火葬場もあります。
必ず事前に確認しましょう。

自治体の回収に出す

入れ歯をゴミ回収

入れ歯を自治体のごみ回収に出す場合、可燃ごみに分別するところと不燃ごみに分別するところがあり、自治体によって違います。
また、入れ歯にはさまざまな素材が使われているため、分解してからでないと出せない自治体もあるようです。
入れ歯を自治体の回収に出す場合は、事前に確認しましょう。

歯科で処分してもらう

入れ歯は、歯科医院で医療廃棄物として処分してもらうことができます。
定期検診に行く折にでも持参すれば、回収してもらえます。

回収ボックスに入れる

不要になった入れ歯の回収ボックスを設置している自治体があります。
回収ボックスには、入れ歯だけでなく、歯にかぶせた「クラウン」、歯と歯をつないだ「ブリッジ」(両脇の歯を使った差し歯)、歯に詰めた「インレー」なども出すことができます。
ただし、金属のついていない入れ歯は回収できないなどルールがありますので、事前に確認しましょう。

買い取りに出す

金歯の買い取り

自由診療で作った入れ歯に使われている金は、売ることができます。
買い取ってもらえるものは、詰め物の「インレー」と治療後の歯にかぶせる「クラウン」です。
クラウンは、インレーよりも金を多く使用しているため、より高額です。
また、土台に大きな金属を使った総入れ歯や、両脇の歯をつないだ「ブリッジ」も高額買い取りの対象となります。

金で出来た入れ歯は、ほとんどの金買い取り業者で取り扱っています。
しかし、金歯には金の純度(18金、24金など)の刻印がないため、正確に価値の判断ができません。
業者に出す前に、金歯を製作した歯科医師に金の純度を確認しておきましょう。
業者に持ち込む際には、歯の部分など、買い取り対象でない部分も金といっしょに引き取ってもらえるか確認しておきましょう。
金の部分だけしか引き取ってもらえないお店もあります。

供養する

名古屋市中区の大須観音では、県の歯科医師会が主催し、抜けた歯や役目を終えた入れ歯を供養する「歯歯塚供養会」を行っています。
全国的に数は多くないようですが、札幌市や三重県、佐賀市などでも同様の供養祭が行われています。
また「入れ歯の日」である10月8日に、役目を終えた入れ歯を供養しているお寺もあるようです。
そのほか、遺品供養の一環として入れ歯もほかのものと一緒に供養してもらえるところがありますので、近所のお寺や、地域に詳しい遺品整理業者に尋ねてみましょう。

寄付する

入れ歯は、寄付することもできます。
入れ歯には合金が使われており、金のほか、パラジウムや銀なども含まれています。
、これらを換金すると、1個あたり2500円の価値があるそうです。
入れ歯1個を貴金属精製会社に持ち込んで換金しようとしても、精製や分析費用の方が高くついてしまいますが、全国から入れ歯を集め、まとまった数を一度に精製することでコストを抑えるとともに収益を出すことができます。
この収益を、ユニセフや福祉団体を通じて、発展途上国の子どもたちや東北復興のために寄付しているNPO法人があります。
また、不要になった貴金属やアクセサリーも寄付することが出来ます。

まとめ

不要の入れ歯

不要になった入れ歯は、実はさまざまな処分方法があります。
故人の日々の生活に役立ってくれた入れ歯。
どの方法を利用するも、ルールにのっとり、正しく処分しましょう。

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