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高齢化社会の住まいのあり方~リースバックとリバースモーゲージ

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シニア世代の一番の悩みは、老後の生活資金や住居に関してではないでしょうか。

内閣府による平成29年の「高齢化社会白書」によると、高齢者世帯の所得はその他の世帯に比べて低いという結果が出ています。

また、高齢者が不安を感じていることの一つに、住まいの問題があります。
厚生労働省の「高齢者向け住まいについて」という調査(平成23年)では、高齢者世帯における持ち家率は、下がる傾向にあるという結果が出ています。

それにもかかわらず、賃貸住宅では、高齢者の入居を断る「貸し渋り」問題が起きています。
高齢者が安心して暮らすには、どうしたらよいのでしょうか。

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住み慣れた家に住み続けるには

住み慣れた家 高齢化

超高齢化社会・日本。
高齢者の感じる不安として多いのが「老後の生活資金」に関することです。

寿命が延びるのはいいことなのですが、反面、生活資金が足りなくなるのでは、要介護の生活が長くなったらどうしよう、という悩みも起きてくるわけです。

中でも、住まいの問題は重くのしかかってきます。
前出の内閣府の調査では、高齢者(65歳以上)のいる主世帯の8割以上が持ち家に居住しているという調査結果が出ていますが、そこに住み続けるためには固定資産税を払い続けなくてはなりません。

そこで、2018年7月、高齢者の生活を支えていくため、相続税法制が見直されました。

配偶者居住権

2018年7月6日、相続法制を約40年ぶりに大幅に見直す改正民法が参院本会議で可決、成立しました。

この新しい法律では、「配偶者居住権」という、現在住んでいる家に配偶者がそのまま住み続けることができる権利が創設されました。

これは、住宅の権利を「所有権」と「居住権」に分割し、残された配偶者がこの「居住権」を取得すれば、所有権が別の相続人や第三者に移ったとしても、そのまま自宅に住み続けることができるというものです。

配偶者短期居住権

また、配偶者が遺産分割対象の建物に住んでいる場合、遺産分割が終了するまでは無償で住めるようにする「配偶者短期居住権」や、配偶者が生前贈与や遺言などで譲り受けた住居は「遺産とみなさない」という意思表示があったとして、遺産分割の計算対象から除外するという制度も作られ、高齢者の老後の生活を安定させようという動きが見られます。

不動産活用の道

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しかし、新しい法律はあくまで税制であり、配偶者が相続をすることが前提となります。
では、1人暮らしの人や、すでに配偶者を失っている人は、どうすればいいのでしょうか。

ご近所づきあい、買い物や病院など、現在の日常生活をできるだけそのまま続けたいと思う高齢者にとって、住みなれた環境を変えることは、精神的・肉体的に大きな負担となります。

そんな高齢者が、住みなれた環境で安心して暮らしていくために、新しい不動産活用法が話題になっています。
それが「リースバック」と「リバースモーゲージ」です。

リースバック

リースバックとは、「セール&リースバック」とも呼ばれる自宅の売却方法で、現在住んでいる家に住みながらその家を売却し、そのまま借りて住み続ける方法です。
自宅を売却した代金を現金一括で受け取るため、大きな資金を調達することができます。

さらに、自宅を売却した後も、賃貸(リース)契約によって引き続き住み続けることができます。
銀行からお金を借りるのとは違い、資金の使い道は自由です。
また、希望があれば、自宅を買い戻すこともできます。

リバースモーゲージ

リバースモーゲージとは、自宅を担保にしてお金を借り、死亡後または契約期間終了後に自宅を売却して一括返済する方法です。

リバースモーゲージにより借り入れたお金は、契約者の死亡時、または、契約期間の終了時に自宅を売却して一括返済します。

リバースモーゲージはあくまでも金融機関からの「借り入れ」であるため、その使い道については「銀行が認めるもの」という制限があります。

どちらの方法も、現在の住居や生活を変えることなく、生活資金を手に入れることができるというわけです。

2つの方法のメリットは?

リースバック リバースモーゲージ 

リースバックのメリット

すぐに現金が手に入る

リースバックは、売買成立の当日に、代金が一括で支払われます。
そのため、老後資金などまとまったお金が必要な人に向いています。
住宅ローンや他の借入があり、それらを完済したい場合にも有効です。

相続トラブルを避けられる

相続は、土地や建物などの不動産があると一気に難しくなると言われています。
不動産は現金のようにきれいに分割できないため、トラブルになりやすいのです。

しかし、リースバックは、不動産が現金に変わります。
財産を分割しやすいお金に変えておくことで、相続トラブルの要因を減らすことができます。

住宅ローン、その他の借り入れを解決できる

リースバックは、住宅ローンを払い終えていない場合や、自宅に担保が設定されている場合でも可能です。
売却したお金から住宅ローンの残金を支払えば、リースバック契約を結ぶことができます。

税金などの負担が減らせる

リースバックは、所有権が第三者に移るため、固定資産税を納める必要がなくなります。
また、マンションの場合、管理費や修繕積立金を支払う必要もなくなります。

リバースモーゲージのメリット

リバースモーゲージのメリット

所有権はそのまま

自宅を売却するリースバックと違い、リバースモーゲージは所有権はそのままです。
亡くなった後に遺族が売却して金融機関に返済する仕組みなので、売却するまでは自分名義の家に住み続けることができます。

リフォーム費用を捻出できる

多くの金融機関で、リフォーム費用としてリバースモーゲージを利用することが認められています。
高齢化に伴い、自宅をバリアフリー化したい場合などに有効です。

定期的に一定額を受け取れる

リバースモーゲージには、資金の受け取り方法が主に3種類あります。

  • 一括でまとめて受け取る
  • 毎年一定金額を受け取る
  • 決められた範囲内の金額を随時受け取る

毎月一定額(20万円まで)が口座に振り込まれる「年金型」といわれる受け取り方を選択すれば、年金にプラスして生活費として使うことができます。

2つの方法のデメリットは?

リースバックのデメリット

リースバックのデメリット

所有名義が変わる

自宅を売却するので、当然ながら所有名義を失います。
そのため、モノとして子供に残すことができません。
ただし、自宅を買い戻すこともできます。

家賃が発生する

売却後は、家賃を払って住み続けることになります。
そのため、家賃の支払いのために、安定した収入が必要になります。

家賃の金額は売却金額によって決まるので、売却代金が高額であれば月々の家賃は高くなり、売却代金が少額なら家賃は低めになります。

住宅ローンに注意

リースバックによって住宅ローンを支払う場合、住宅ローンの残額が多ければ、その分受け取れる金額が少なくなります。

残りの金額から家賃を支払うことになるので、十分な検討が必要です。

リバースモーゲージのデメリット

リバースモーゲージのデメリット

長生きしたら・・・

リバースモーゲージには、あらかじめ設定した契約期間終了後に家を売却して一括返済するタイプがあります。
このタイプの場合、元気に暮らしていても、契約期間を過ぎたら自宅を売却しなければならなくなります。

担保割れのリスク

リバースモーゲージを取り扱う金融機関の多くは、一定期間ごとに不動産の評価を見直します。
もしも、その時の景気の状況や地価の変動によって担保割れした場合は、当初の契約期間の終了前に一括返済を求められる可能性があります。

子供と同居できない

リバースモーゲージは、一定期間後に売却することを前提とした契約です。
子供に家を残すことを想定していないため、ほとんどの金融機関で、一人暮らしか夫婦二人暮らしのみの人を対象としています。

対象は戸建てが原則

マンションは戸建てと違い、更地にすることが困難です。
そのためリバースモーゲージの対象外になることが多いようです。

利用制限が多い

リバースモーゲージには、様々な制限が設けられています。

対象者の年齢が55歳以上、個人であること、毎月、利息を支払うため、一定の収入があること、推定相続人の同意や保証人が必要、医療費・老人ホームの入居資金・リフォーム費など、資金の使い道が決められているなど。

団塊の世代が後期高齢者となる2025年を目の前にし、高齢者の生活や住まいの問題はますます増えていくことでしょう。

そんな中でも、少しでも安心できる環境で暮らせる方法を見つけて行きたいもの。
終活の一環として、自宅不動産のしまい方や活用方法を、家族も交えて話し合っておくことが大切なのではないでしょうか。

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