生前整理を業者に依頼した時の費用相場はどのくらい?

生前整理を業者に依頼した時の費用相場はどのくらい?

終活の一環として、生前整理が注目されています。
生前整理は簡単に言うと「片付け」ではありますが、単にいらないものを捨てる断捨離とは違い、意外に手間がかかる作業です。
もちろん自分で行うこともできますが、ちょっとハードルが高いかな・・・と思った場合は、業者に依頼することもできます。
生前整理を業者に依頼した場合の費用相場やサービス内容、見積もりの方法などについて見ていきましょう。

遺品整理業者の価格

生前整理とは?

まずは、生前整理とは何か確認しておきましょう。

生前整理の目的とは?

生前整理とは、自分が生きているうちに身辺整理をすることです。
似ている言葉に「遺品整理」がありますね。
「生前整理」と「遺品整理」は、身の回りの整理をするという点では共通していますが、どんな点が違うのでしょうか。

「遺品整理」は、人が亡くなったあとに行う整理です。
そのため、行うのは本人ではなく、主に遺族ということになります。
つまり、遺族にものを仕分けし、片付ける労力と時間を負担させることになります。

それに対して「生前整理」は、本人自身が存命中に行う整理です。
生きている間に身辺整理をしておくことで、亡くなったあと、遺族にかかる負担を軽くすることができます。
そのため、生前整理を考える人が増えています。

生前整理の内容は?

生前整理は普通の片付けとは異なり、細かく「仕分け」を行います。
最も特徴的なのは、財産関係の整理を綿密に行うことでしょう。
人が亡くなったあと、最もトラブルが多いのが遺産相続に関してだといわれています。
自分がいなくなったあと、大切な家族がもめたりバラバラになったりしないよう、財産を整理・把握し、明確にしておくことが大切です。

では、生前整理ですることを見ていきましょう。

財産の整理

財産の生前整理

自分の持っている財産を整理し、把握します。
現金・通帳・キャッシュカード・クレジットカード、土地家屋に関する書類、有価証券、保険証券、契約書・領収書・請求書・借入金・ローンなどの重要書類、また、貴金属・美術品・ブランド品など市場価値の高いものなど、遺産相続の対象となるものを全て明確にします。
仕分けができたら、いつ何があっても困らないよう財産目録を作っておきましょう。

家財の整理

家の中を整理し、不用品をまとめて、家を生活しやすい空間にします。
ものを減らすことによって風通しが良くなるため、カビやばい菌で病気にかかるリスクが減ります。
また、ものにつまずいたり、転倒したりする事故も防ぐことができます。

デジタル関係の整理

デジタル機器の生前整理

SNSのアカウント、FXなどの口座、ECサイトで自動保存されているクレジットカード情報、月額料金が発生するサービスなどを把握・整理します。
また、スマホやパソコン、デジカメなどに残っているデータを死後どうするかも決めておきましょう。

不用品の処分

家財の整理で出た不用品を処分します。

遺言書・エンディングノートの作成

財産の処分に関して、誰に何をどのような割合で相続させたいか、法律で決められた形式に従って作成します。

まだ全てをはっきり決められない場合は、エンディングノートに大まかなことをメモしておいてもよいでしょう。
エンディングノートには法律的拘束力はありませんが、自分の意思を伝えることはできます。
財産に関して以外も、自分の個人情報、親しい人の連絡先リスト、葬儀やお墓の希望、臓器移植や延命措置など医療・介護に関する希望、家族へのメッセージなど、なんでも書いておくことができます。
エンディングノートは一度書いたら完成ではなく、気持ちや考えが変わったら、何度でも書き直すことができます。
気楽な気持ちで書き始めましょう。

業者に依頼する生前整理

生前整理業者の準備物

生前整理の内容を見て、これはちょっと手強そうだぞ、と思った場合は、専門の業者に相談してみるとよいでしょう。
「生前整理」をうたっている業者や、片付けアドバイザー・収納アドバイザーといった専門家がアドバイスしてくれるサービスもありますが、ほとんどの場合、遺品整理業者が生前整理サービスを行っています。
遺品整理業者は、遺品整理に関する経験が豊富なので、財産に関する重要書類などの見分け方に長けています。
また、不用品の買い取りも行っているので、お得に生前整理ができるかもしれません。

生前整理サービスの作業内容は?

では、実際に、業者はどのような作業をしてくれるのでしょうか。

日用品や家財の整理

一番大きな作業は、身の回りの整理です。
部屋の中を片付け、必要なものと不要なものに仕分けしていきます。
必要なものは、生活がしやすいように整理整頓をして配置します。

デジタルデータの整理

パソコンやスマホ、デジカメなどの中に入っているデータを整理やバックアップをします。
家族に見られたくないデータがある場合は相談しましょう。

不用品の買い取り・処分

日用品や家財を整理して出た不用品の中で、まだ使えるものは買い取ってもらえます。
廃棄するものは全て運び出し、処分してもらえるので労力も手間もかかりません。

財産目録・遺言書の作成

財産目録や遺言書の作成について相談できます。
スタッフが対応してくれるところと、弁護士など提携の専門家を紹介してもらえるところがあります。

エンディングノートに関するアドバイス

業者によっては、エンディングノートをプレゼントしてくれる場合もあります。
エンディングノートの書き方には決まりはありませんが、それだけに何を書いておくべきか迷ってしまう人もいます。
そんな時は相談してみましょう。

オプションサービス

各業者によって異なります。
希望する作業があれば、事前に確認しましょう。

生前整理サービスの料金相場は?

一般的な生前整理サービスの場合

生前整理サービスの料金の内訳は、作業費を含む人件費、車両費、回収運搬費、廃棄物処分費をあわせたもので、基本的に間取りによって変わります。
一般的な料金を見て見ましょう。

間取り作業人数料金
1R・1K1〜2名3万円〜8万円程度
1DK2〜3名5万円〜12万円程度
1LDK2〜4名7万円〜20万円程度
2DK2〜5名9万円〜25万円程度
2LDK3〜6名12万円〜30万円程度
3DK3〜7名15万円〜40万円程度
3LDK4〜8名17万円〜50万円程度
4LDK以上4〜10名22万円〜60万円程度

実際の料金は、ものの量や作業人数、作業時間によって変わります。
必ず事前に見積もりを取っておきましょう。

アドバイザーによる生前整理

生前整理アドバイザー

片付けアドバイザー、生前整理アドバイザーなど専門家に相談をする形のサービスもあります。
こういったサービスの場合、アドバイザーが自宅を訪問し、室内を確認して整理のアドバイスをしてくれます。
また、アドバイザーに悩みを相談し、自分にとって最善の片付け方を教えてもらうことができます。
このようなサービスの場合は、スタッフが全てやってくれるのではなく、アドバイザーにアドバイスを受けながら自分で片付けていく形になります。
料金はアドバイザー1人で1時間3000円〜5000円、また4時間で19800円など時間が決められている場合もあります。
いずれも、不用品の処分は自分でするか、別途サービスを申し込む必要があります。

見積もり

ほとんどの業者で、見積もりは無料でしてもらえます。
事前に見積もりを取るようにしましょう。
見積もりは、業者が直接自宅に訪問し、実際に家の中を見て、ものの量などを見て行います。
この時、もし希望する作業があれば相談しましょう。
通常の作業に含まれるケース、オプションとして別料金となるケースがあります。
あとから高額請求をされたりなどということがないよう、最初の見積もりで料金を決めておきましょう。
料金は、自宅の場所や建物の状況によっても変動します。
たとえば、運搬用のトラックを近くに停められない場所や、エレベーターのないアパートなどは料金が割り増しされます。
納得のいく生前整理のため、名目と内容、金額をきちんと確認しましょう。

さらに、2〜3社から相見積もりを取って、一番納得のいく業者を選びましょう。
この時のポイントとして、見積もりをした人が作業もするのかどうかを確認します。
見積もりをしたスタッフが作業をすれば、一貫した整理ができます。
もう1つのポイントとして、見積もりに来たスタッフの服装や言葉遣いにも注意しましょう。
服装が乱れていたり、高圧的な態度を取るような業者は利用しない方が無難です。

まとめ

元気なうちに生前整理を行っておくと、身の回りが片付き、健康的で安全な生活を送ることができます。
また、もしものことを考え、遺族の労力を軽減するためにも生前整理はおすすめです。
業者が行う生前整理には、さまざまなサービスがあります。事前に希望を伝えてよく相談し、複数の業者から相見積もりを取りましょう。
自分のため、そして家族のためにも、良い生前整理になるといいですね。

この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家

氏名:新家 喜夫

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。