遺品整理業

遺品整理で注意したい個人情報の処理方法

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遺品整理をすると、故人の個人情報がわかってしまうものも出てきます。
しかし、ものが大量にあると細かいところに構っていられず、どんどん捨てていってしまいがちです。
とはいえ、それによって個人情報が流出してしまうと、深刻なトラブルに発展する可能性があります。
遺品整理において、安全に個人情報を処理するにはどうすればよいのでしょうか。

遺品としての個人情報の取り扱い

個人情報漏洩のリスクとは?

亡くなった人の個人情報が処理されていなかったために、トラブルが起きてしまう可能性があります。
そのリスクについて、見ていきましょう。

リスク① サービスの継続

故人が何かしらのサービスを利用していた場合、遺族が連絡しなければ、サービス提供者には利用者が亡くなったことがわかりません。
家族が亡くなったあと、個人情報が登録されたまま放置していると、本人がこの世にいないにもかかわらず、郵便物などが届き続けます。
また、故人が利用していた有料サービスを解約していなかったために、利用料を請求されます。

リスク② マイナンバーカードの悪用

マイナンバーカード

2016年1月より、マイナンバー制度が始まりました。
マイナンバーには、名前や住所というような基本的な情報をはじめ、さまざまな情報が含まれています。
便利な反面、万が一、マイナンバー情報が漏洩してしまうと、その人になりすますことができてしまいます。
たとえば、金融情報から大切なお金が勝手に引き出されたりするようなことになりかねません。
また、勝手に開かれた故人名義の口座が、犯罪に関わるお金の受け渡しに使用されるようなケースも考えられます。
また、クレジットカードの不正使用などの可能性もあるでしょう。
このように、マイナンバー情報が漏れると、知らないところで犯罪に巻き込まれたり、財産を乗っ取られるようなリスクがあります。

リスク③ 故人のプライバシー

2014年、亡くなった親戚の叔父さんの日記が全然解読できない!と、故人の日記に書かれた「暗号文」がツイッターに投稿されました。
「ヌサヌヨ.フ.ヤリミサ」というように、カタカナで書かれたその文章は、普通に読めば全く意味がわかりません。
しかし、それが、ツイッターに投稿されて約4時間後、見事に解読され、「ネットの集合知」と話題になりました。

基本的に、プライバシーの権利はその人だけの権利です。
つまり、譲渡されることも相続されることもなく、本人が亡くなれば権利は消滅します。
ただし、故人に対する遺族の「敬愛追慕の情」が侵害されるような場合には、遺族の権利として、損害賠償請求を認めた裁判例もあります。
つまり、日記の公開によって、このような遺族の権利を侵害することもあり得るのです。
もし、日記が

  • 故人のプライバシーや名誉が傷つく内容
  • 故人ではなく第三者の名誉やプライバシーを傷つける内容
  • インターネットバンキングやSNSのIDやパスワードなどの情報

といったものだった場合、解読を依頼した遺族や解読結果を公開した人と、情報を解読されてしまった第三者の間で紛争が起こる可能性があります。

適切に処理しておくべき個人情報とは?

遺品整理の際、どのような個人情報を処理するべきか、また、どのような方法で処理すればよいのでしょうか。

公的な書類

公的書類

公的な書類は、個人情報の中でも最も悪用されやすいものです。
以下のような書類は、期限内に取扱い窓口へ返還しましょう。

運転免許証

警察署または運転免許センターへ、落ち着いたら速やかに返納します。
故人の運転免許証のほか、死亡を証明する書類(死亡診断書のコピーや戸籍謄本など)、届出人の身分証明書が必要です。

保険証

社会保険などの場合は、故人の勤務先へ死後5日以内に、国民健康保険の場合は、故人の住所地の市町村窓口へ死後14日以内に返納します。
必要なものは、社会保険の場合は故人の勤務先に確認しましょう。
国民健康保険の場合は、保険証のほか、窓口に設置されている国民健康保険資格喪失届、印鑑などが必要となります。

パスポート

落ち着き次第速やかに、都道府県のパスポートセンターへ返納します。
故人のパスポートのほか、死亡を証明する書類(戸籍謄本など)が必要です。

マイナンバーカードまたは通知カード

全ての手続きを終えてから、故人の住所地の市町村役場に返納します。
故人の個人番号カードまたは通知カード、市区町村役場の窓口に設置されている個人番号カード返納届、印鑑が必要です。

後期高齢者医療被保険者証

死後14日以内に、故人の住所地の市区町村役場に返納します。
市区町村役場の窓口に設置されている後期高齢者医療資格喪失届、後期高齢者医療被保険者証、印鑑などが必要です。

介護保険被保険者証

死後14日以内に、故人の住所地の市区町村役場へ返納します。
介護保険被保険者証のほか、市区町村役場の窓口に設置されている介護保険資格喪失届、印鑑などが必要です。

印鑑登録証(印鑑カード)

落ち着いたらすみやかに、故人の住所地の市区町村役場へ返納します。
印鑑登録証のほか、届出人の身分証明書が必要です。

公的書類に関するお知らせの書類などで不要なものは、シュレッダーにかけるなどして処分しましょう。

クレジットカード

故人が所持していた各クレジットカード会社のサポートセンターに相談し、解約の手続きをしましょう。
もし未払いなどがあった場合の確認も同時にしておくとよいでしょう。
期限は特にありませんが、不正使用されたり年会費などを請求されたりする場合があるため、故人の死亡後できるだけ早く手続きをするのがよいでしょう。
手元に残ったクレジットカード本体は、はさみなどで細かく切ってから処分します。

特に気をつけたい、デジタル遺品

デジタル遺品

毎日、何かしらの事故や事件などがニュースで取り上げられています。
このような事故や事件に巻き込まれて亡くなってしまった場合、かつては故人の近隣の人や同級生などへの取材が報じられる程度でした。
しかし、近年は、故人がSNSなどに残したプライベートな情報までが掘り起こされ、事故や犯罪とは直接関係のないことまで世間の目に晒されるような例が多く見られるようになりました。
遺品整理の際についても個人情報の適切な処理は必要です。
たとえ故人のものであっても、個人情報を抜き出されて、悪用されてしまうことがあるからです。

このような状況を踏まえ、近年、遺品整理における個人情報の処理が重要になってきています。
パソコン、スマホやインターネット上にある故人の情報を「デジタル遺品」といいます。
故人の死後、デジタル遺品を見つけ出して整理し、いらないデータは確実に削除して、個人情報の悪用などの不要なリスクをなくすことが必要です。
まず、どのような情報が残されているのかを調べ、残すべき情報は遺族が引き継ぎ、消去すべき情報は確実に消去しなければなりません。

金融関係

ネット証券やビットコイン、ネット銀行などについて、小額しか入っていない口座は生前に引き出し、解約しておきましょう。
FXのように、放置しておくと莫大な損失が出る可能性もあります。
自動引き落としになっているサービスは解約の手続きが必要です。
特に、多くの口座を持っている場合は整理しておくことが大切です。
金額によっては相続税の申告にも影響するため、口座がどこにいくつあるのか、わかるように書いておきます。

SNSのアカウント

SNSアカウント

SNSのアカウントも、それぞれにIDやパスワードをまとめておきましょう。
SNSが放置されていると、第三者がパスワードを入手して悪用する可能性もあります。
家族に削除するよう依頼しておき、IDやパスワードを紙に書いておきましょう。
また、各サービスには、利用者が亡くなった場合「追悼アカウント」の管理者を設定できたり、データ削除を設定できる機能があります。
確認しておきましょう。

パソコン、スマホ

パソコンやスマホは、初期化するだけでは危険な場合があります。
初期化しても、ハードディスクやメモリに情報が残っています。
記録された個人情報を抜き取られることがあるので完全に消去する必要があります。

デジタル遺品に関しては、利用しているサービス名と、IDやパスワードを一覧表にしておくことが大切です。
もしもに備え、家族で話し合っておきましょう。

まとめ

モノとして残る公的書類などの遺品の処理は自分で行えます。
しかし、デジタル遺品に関しては、ただデータを削除するだけでは不十分なため、自分で行うのは難しいかもしれません。
確実にデータを消去するには、専門の業者に依頼するのがよいでしょう。
また、遺品整理業者でもデータの移行・整理や完全削除、端末の破壊などのサービスを行っています。
また、デジタル遺品以外の個人情報に関わる品の処分いついてもアドバイスしてもらえます。
困ったら相談してみるとよいでしょう。

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