有名人・芸能人が語る終活~断捨離編:終活として行うべきことは?

有名人・芸能人が語る終活~断捨離編:終活として行うべきことは?

2018年、がんで亡くなられた女優の樹木希林さん。
樹木さんは、2013年に「全身がん」であることを告白し、世間を驚かせました。

さらに、2016年には「死ぬときくらい、好きにさせてよ」という衝撃的なキャッチコピーの新聞広告に登場し、世間を二度びっくりさせました。

樹木さんは、この広告の中で「死を疎むことなく、死を焦ることもなく。ひとつひとつの欲を手放して、身じまいをしていきたいと思うのです。」と、終活宣言をしています。

この広告は、若い世代を含め、多くの人に「死」について考えることで、どう生きるかを考えるきっかけに、というのが目的だったそうです。
最近では「終活」という言葉は耳新しいものではなくなりましたが、樹木さんの終活宣言により、終活を身近なものに感じた人もいるかもしれませんね。

実は、芸能人には、ほかにも終活をしている人がいます。
そんな芸能人の終活について見てみましょう。
ご自身の終活の参考になるかもしれません。

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「終活」とは?

終活とは「人生の終わりのための活動」の略語で、人が人生の最期を迎えるにあたって行う様々な準備や、人生の総括を意味します。

自分の死の周辺のことをあらかじめ考えておく。
そして、いざというときに自分の気持ちに添った結果となり、残される家族をはじめとする周囲の人々が困らないようにしておこうとする活動のことです。

つまり、「終活」とは、死と向き合い、最後まで自分らしい人生を送るための準備なのです。

現在では、終活という言葉は世の中に広く浸透しています。
さまざまな書籍が刊行されたり、終活支援のアドバイザーや団体ができ、終活セミナーが開催されたりするなど、終活を巡る活動は年々さかんになっています。

  • 終活はいつから始めるべき?
  • 終活って何をするの?

終活はいつから始めるべき?

終活は、一般的には、自分もそろそろ考えておこうかという年代が興味を持つこと多いようですが、特に何歳から始めるものと決まっているわけではありません。

断捨離やミニマリストの影響によって20代、30代の若い世代でも終活を行っている人がいますし、早く子供が独立した40代・50代の夫婦や、60代に入って、仕事をリタイアした人なども行っています。
それぞれの年代や生活状況によって終活の内容はさまざまです。いつでも、思い立った時に始めましょう。

終活って何をするの?

終活で行う内容はさまざまですが、大きく2つに分けることができます。

自分のための活動

忙しかった毎日。ちょっと足を止めて、ゆっくり自分を振り返る時間を取ることは、なかなか難しい人が多いのではないでしょうか。

でも、もし終活をしてみようと思い立ったのであれば、生活の中のちょっとした時間を利用して、これまでの人生を思い浮かべてみましょう。

やり残したこと、叶わなかった夢、あなたは今までどんなことを望み、どんなことを考えて生きてきたのでしょうか?
また、周りの人たちのことも思い浮かべてみてください。
残される家族のこと、大好きな友人や知人、今までお世話になった人たち・・・改めて考えると、今まで忘れていたことも思い出したりして、周りへの感謝の気持ちが湧き、思いを新たにすることもあるでしょう。

終活 断捨離 エンディングノート

また、これまでにことを振り返るだけでなく、これからのことも考えてみましょう。
すると、ぼんやりとした像しかなかった、残された時間のなかでできること、できないことを把握することができます。
これによって、やりたいことや目標を立てることができ、残りの時間をより豊かに、有効に使うことができるのです。

家族のための活動

人間は、何も残さず、跡形もなく消えることはできません。
ですから、自分がいなくなった後に残るものについて考えておきましょう。

身の回りのものを少しずつ整理しておけば、残された家族が片付けで悩むことがなくなります。
相続についても考えておきましょう。
人が亡くなった後に一番多いのが相続争いです。死後に大切な家族が争うことのないようにしたいものです。

また、どんな葬儀を行いたいかなどについても考えておきましょう。
お気に入りの遺影を撮影しておいたり、葬儀の形式や来てほしい人、会場で流す音楽などを考えておくのです。

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自分の入るお墓や埋葬法を考えておくのもいいですね。
今はお墓もさまざまな素材やデザインがあり、1人で入るもの、夫婦で入るものなどさまざまです。

また、お墓に入るのではなく、樹木葬や海、なんと宇宙への散骨など、いろいろな形があります。
さよならは、突然訪れることも少なくありません。

葬儀やお墓について考えておけば、残された家族が悩むこともなくなります。
何より、自分の最後をどう演出するか考えるのは、意外と楽しいですよ。

芸能人の語る終活

最近、終活をしていることを明かす芸能人が増えています。
それを受け、2017年7月13日に放送されたフジテレビの情報番組『バイキング』では、芸能人が行っている終活の最新事情が紹介されました。

『バイキング』では、終活として行うべき事柄として

  • 財産の整理
  • 老後の資金計画
  • 加入保険の整理や見直し
  • 遺言書遺産分与の作成
  • 葬儀の準備

の5つの項目について紹介しています。

同番組に出演したタレントの薬丸裕英さんは、5つのうち、財産の整理、老後の資金計画、加入保険の整理や見直しを終えていると話しています。
さらに、不要な物は毎週のように捨てているそうです。

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同じく番組に出演した中尾彬さんは、生前整理を行っているそうです。
アトリエや、写真1万枚、書籍や趣味の道具やコレクション、衣類などの整理を終えたとのこと。

芸能人の生活は、一般のわたしたちとはかけ離れているかもしれませんが、スケールが違うだけで、やるべきことは同じです。
しかも、こういったことはプライベートの最たるものなので、周りの人と話題にしにくい面もあり、芸能人がテレビなどで終活について語ることは、わたしたち一般人にとっても参考になるはずです。

では、芸能人の終活についてみていきましょう。

芸能人の語る終活~断捨離編

泉ピン子さん(女優:1947年9月11日生まれ)

泉さんは、TBS系の番組『結婚したら人生激変! ○○の妻たち』において、終活の一環として過去のトロフィーや賞状を処分したことを語っています。
これまでの芸能生活の中で授与された名誉ある品々です。なぜ、それらを処分してしまったのでしょうか?

泉さんが言うには「私が死んだ時に、私のもらった賞捨てられる? 彼(夫・武本憲重医師)のことを思ったら、処分しちゃったほうがいいと思った」とのこと。

亡くなったあと、大切な人の名誉あるものを捨ててしまうのは、なかなか難しいですよね。
でも、モノとしては、残された人の負担になる。それなら家族のために自分の手で処分しておく。

これこそ、家族のために行う活動そのものです。
泉さんご夫妻の愛情を感じるエピソードですね。

高橋英樹さん(俳優:1944年2月10日生まれ)

高橋さんが生前整理を決意したきっかけは、一人娘である高橋真麻さんの「そんなに先が長くないんだから、こんなに物を残されたら困るよ」という言葉だったそうです。

一念発起し、3ヶ月以上かけて、家じゅうのものを整理。
スーツはなんと1000着、ネクタイが600本、靴150足、本1500冊など、業者に引き取ってもらった荷物量は、なんと33トンにも上ったそうです。

生前整理をした感想は、「本当にくたびれたけど、終わってみるとスッキリしました」。
空っぽになり、広々としたリビングで書道を楽しまれている高橋さんですが、ちょっと笑えるエピソードも。このとき、思い切って整理しすぎて生活な必要なものまで捨ててしまい、あとから買い直したそうです。

池畑慎之介さん(1952年8月8日生まれ)

ピーターこと池畑さんは、お父様から受け継いだ高輪の家のほか、熱海や葉山に別宅を建て3軒の家を行き来する生活をされていました。
熱海や葉山では、家から海が見え、空の色や雲の変化する様子を眺める生活を楽しんでしたそうです。

転機が訪れたのは、東日本大震災が起こったときでした。
震災の映像を目の当たりにした池畑さん。
その様子にショックを受け、また震災後に強く生きている被災者の方を思うと、モノを所有していることがむなしくなり、自分が嫌になってしまったそうです。
それで家を整理することに。

家を整理してみると、物理的にも精神的にも余裕が生まれました。
ぎゅうぎゅう詰めだったタンスがスカスカになる。モノを取り出すのが楽になる。
物理的な余裕が生まれたこと、本当に好きなモノだけ残した暮らしには、心の余裕も生まれました。

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身軽になった池畑さんは、キャンピングカーで全国を回ったり、語学留学など、やりたいことがどんどん出てきているそうです。
家の管理に縛られることが亡くなった分、身軽になったからなのでしょう。

池畑さんは「これは、『ダウンサイジング』。『終活』じゃないんです。だって、終わりじゃなくて、始まりだから」と語っています。
でも・・・これこそ、終活(生前整理)の極意なんです。

池畑さんは「ダウンサイジングは次へのステップ。住み替えるという大きなことはできなくても、引き出しを整理するとか、そういうことなら始められる。気持ちに余裕が生まれますよ」とも語っています。


終活は、決して暗く悲しいものではありません。
池畑さんのように、残りの時間をより豊かなものにするために、これまでの人生を振り返り、残りの人生に本当に必要なものは何か考えてみませんか?

この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家

氏名:新家 喜夫

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。