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高齢者の突然死4つのケース~原因と兆候は? もしもの時はいつ来る?

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誰でもいつかはこの世を旅立つと頭ではわかっていても、なかなか現実としては捉えられないものではないでしょうか?

でも、もしかしたら……「突然死」が襲うかもしれません。

働き盛り世代の突然死がニュースなどに取り上げられていますが、突然死が多いのはやはり高齢者です。
突然死とはどんなものなのか、原因や前兆などについてみていきましょう。

遺品整理 突然死 原因 兆候

「突然死」とは?

「突然死」とは、「予期していない突然の病死」のことです。
その症状が起こってから24時間以内に死亡に至ることを言います。
病院に運ばれ、翌日に亡くなるといったケースも突然死の範疇に入ります。

突然死は、原因が特定できるものと、解剖などによっても疾患が特定できない原因不明のものがあります。
似た言葉に「急死」がありますが、急死は、直前まで元気そうだった人が、突然亡くなってしまうことを言います。
「急死」の場合は事故や災害、容態の急変などが原因で、突然死とは少し意味合いが異なります。

高齢者が「長患いをしたくないから、ポックリいきたい」などと言うことがあります。
同様の意味で「ピンピンコロリ」(元気にピンピン生きて、コロリと死にたい)という言葉もありますね。
「ぽっくり観音」「ピンコロ地蔵」「嫁楽観音」などと呼ばれる、言ってみれば突然死を願うお寺も全国にあります。

突然死とは、長く苦しむことなく、家族に負担をかけず、ある日突然この世を去ることです。
長寿が当たり前になった現代、人に迷惑をかけずに人生を終わりたいと思うのは自然な流れなのでしょう。

高齢者に多い突然死①~心臓が要因のもの

  • 急性心臓死(心臓性突然死)
  • 急性心臓死(心臓性突然死)の原因
  • 急性心臓死(心臓性突然死)の起こりやすい時間帯

急性心臓死(心臓性突然死)

厚生労働省の人口動態統計年報(2009年)によると、日本人の死因は

1位=がん(30.1%)
2位=心疾患(15.8%)
3位=脳血管疾患(10.7%)
4位=肺炎(9.8%)
5位=老衰(3.4%)

という割合になっています。
また、心疾患での死亡は、70代で27.2%、80代では34.6%を占めています。

東京都監察医務院によると、突然死の原因で最も多いのは急性心臓死(心臓性突然死)だそうです。
その大半が「虚血性心疾患」。つまり、心臓に血液が供給されなくなった状態です。

私たちの心臓は、1日に約10万回も収縮と拡張を繰り返し、毎日8000リットルもの血液を全身に送り出しています。
収縮と拡張は心臓の筋肉(心筋)が行っていますが、この心筋に酸素や栄養を含む血液を送り込んでいるのが、心臓のまわりを通っている冠動脈という血管です。

高齢者 突然死 心臓

この冠動脈が動脈硬化などの原因で狭くなったり、閉塞したりして心筋に血液が行かなくなって起こるのが虚血性心疾患なのです。
心筋に血液が行かないと、その部分が壊死してしまい、心臓の収縮・拡張ができなくなるため、命にかかわる危険な状態となります。

「心不全」という言葉をよく耳にするかと思いますが、心筋虚血によって心筋の収縮力が弱まった状態が心不全です。
心筋虚血により、心室細動など死に至る不整脈を引き起こすケースもあります。

このような病態が「虚血性心疾患」、あるいは「冠動脈性心疾患」と呼ばれています。
また、心臓病のほとんどが虚血性心疾患を引き起こすといっても過言ではありません。

急性心臓死(心臓性突然死)の原因

急性心臓死(心臓性突然死)の原因には急性心筋梗塞、致死性不整脈、心筋症、心臓サルコイドーシス、心筋炎などがあります。

急性心筋梗塞

心臓そのものに血液を送る血管(冠動脈)が細くなったり詰まったりすることによって起こります。
胸痛で発症しますが、高齢者では痛みを感じないケースもあります。
心筋梗塞の結果、重篤な不整脈を起こしたり、心臓の筋肉が壊死したりすると、突然死となります。

不整脈

不整脈のうち、心室頻拍や心室細動は致死性不整脈の多くを占めます。
しかし徐脈性(脈拍数が減る)不整脈から死に至る場合もあります。

肥大型心筋症

肥大型心筋症とは、心臓の壁の一部が厚くなる症状です。
心臓から流れ出る血流が阻害され、意識障害や突然死を生じることがあります。
心室内腔の拡張する拡張型心筋症でも、心不全や不整脈から突然死となることがあります。

急性心臓死(心臓性突然死)の起こりやすい時間帯

就寝中が多く、ついで入浴中のことが多いようです。
心筋梗塞や狭心症の発症は、明け方や入浴中に多いことと無関係ではないと考えられています。

高齢者に多い突然死②~脳血管障害

厚生労働省の統計で、死因の第3 位となっている疾患です。
広範囲にわたる脳出血や脳梗塞、脳幹部(後頭部の下の方で、呼吸や循環に必要な機能を司る部分)に起きた病変で、突然死となるケースがあります。

脳は、情報網を張り巡らせ、全身の働きを司る高度で複雑な機能を果たしています。
この脳細胞に酸素と栄養を運んでいるのが、脳内を走る血管です。脳血管障害とは、脳の血管に起きたトラブルによって、脳細胞が破壊されることをいいます。

脳血管疾患には大きく分けて2つのタイプがあります。

「出血性脳血管疾患」は、脳の血管が破れて出血した血液が塊をつくり、その部分の脳細胞が破壊される状態です。脳出血、くも膜下出血などです。

高齢者 突然死 脳

また「虚血性脳血管疾患」は、脳の血管が詰まることによって脳への血流が悪くなり、脳細胞が酸素不足・栄養不足に陥る状態です。
代表的なものは「脳梗塞」と「一過性脳虚血発作」です。

脳血管疾患の恐ろしいところは、死亡率だけではありません。
それは、一命をとりとめても、何らかの後遺症が残る場合が多いことです。

損傷を受けた場所と損傷の程度によって、手足の麻痺をはじめ、言語障害や視覚障害、感覚障害など様々な症状が起こります。
後遺症の程度によっては寝たきりになったり、介護が必要になったりすることもあります。

高齢者に多い突然死③~睡眠時無呼吸症候群

突然死において、近年注目されているのは「睡眠時無呼吸症候群」です。

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に何度も呼吸が止まる病気です。
睡眠中、平均して1時間に5回以上、それぞれ10秒以上呼吸が止まる人は、この病気の可能性があります。

この病気は、単に呼吸が止まるだけではありません。
呼吸が止まってしまうことによって、心臓や脳、血管に負担をかけるのです。

高齢者 突然死 無呼吸症候群

その結果、高血圧症、脳卒中、狭心症、心筋梗塞など循環器病を合併する危険が高まることがわかっています。
無呼吸回数が多くなるにつれ、そのリスクは高くなります。

呼吸の不調から、慢性的な血液中の酸素不足から肺水腫を生じたり、再呼吸の時に重篤な不整脈を生じたりし、突然死に至ることがあります。
タバコがやめられない人、お酒が好きで、寝る前のお酒が習慣化している人、太り気味の人、そして高血圧、糖尿病、高脂血症などの既往がある人は要注意です。

高齢者に多い突然死④~ヒートショック

日本人は清潔好き、お風呂好きとして知られていますが、近年、高齢者の脂肪原因として「ヒートショック」が知られるようになってきています。

高齢者 突然死 ヒートショック

ヒートショックとは、温度差が引き起こす身体的ショック症状のことです。
東京都健康長寿医療センター研究所が行った調査では、平成23年、全国で約17,000人もの人がヒートショックに関連した「入浴中の急死」に至ったと推計されました。
そのうち高齢者が14,000人と大多数を占めています。

浴室

ヒートショックを起こしやすい場所は浴室です。
入浴時は身体全体が露出するため、温度の変化を受けやすいからです。

寒い脱衣室で服を脱ぐと、体表面全体の温度が急激に下がります。
この寒冷刺激によって、血圧が急激に上がるのです。

そこで、寒いからと浴室の温かい湯につかったり熱いシャワーを浴びたりすると血管が拡張して、今度は血圧が急激に低下してしまいます。
この急激な血圧の上下が失神を起こす原因の一つと考えられます。
入浴中の急死は浴槽内での失神がほとんどです。

お手洗い

浴室と並び、ヒートショックを起こしやすい場所がお手洗いです。
一般的に、家庭のトイレには暖房がないので、冬の夜中や早朝にお手洗いに行く場合、部屋との温度差が極端に開いてしまうからです。

また、用を足す前は血圧が上昇していることもリスクを高めます。
寒いからとあまり我慢していると、血圧にはよくありません。

突然死を防ぐには?

これまで見てきた突然死は、誘因となる危険因子がいくつも共通しています。
それは、高血圧、動脈硬化、喫煙です。

血圧が高いこと、血管の老化は、脳にも心臓にもよくありません。喫煙している人がこのリスクを負いやすいのは周知のことでしょう。
また、「メタボリックシンドローム」(内臓脂肪型肥満)に加えて、高血圧、高血糖、脂質異常のうちいずれか2つ以上を併せ持った状態の人も要注意です。

たとえ、それぞれが軽症であっても、複数併せ持つことで動脈硬化を悪化させ、脳血管疾患の発症リスクを高めることがわかっています。
そのほかにも、運動不足や多量の飲酒、ストレス、睡眠不足などの生活習慣が突然死に至る疾患の引き金となります。

高齢者 突然死 対策

適度な運動、適切な食事、睡眠をきちんととることなど、生活習慣病を予防できるような生活を送ることが、突然死を防ぐことに繋がるのです。

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