生前準備

相続税対策として住宅リフォームが利用できるって本当?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

遺産を相続する際に支払うのが相続税です。
この相続税、できることなら可能な限り減らしたいですよね。

相続税対策の基本は、相続財産を減らすことだといわれています。
預貯金として所有している財産を、相続開始前に何かに使えば相続財産の額が減り、結果として支払う相続税も減ることになります。

そんななか、相続財産を減らすためのお金の使い道として、家のリフォームがあります。
リフォームすることによって施工費用に現金を充てることができ、所持する現金を減らすことができるのです。

そこで、リフォームと節税について見ていきましょう。

節税01

リフォームと節税

家屋を対象にした相続税の額は、固定資産税の評価額をもとに算出されます。

固定資産税の評価額が上がれば、当然、相続税の額も上がることになります。

これまでは、財産を自宅のリフォームに使う場合、リフォーム方法によっては固定資産税の評価額がほとんど変わらないため、相続税の評価額も変わりませんでした。
しかし、2013(平成25)年に税制改正が行われ、相続税対策にも変化が出てきています。

リフォームに関して、税制改正前と改正後ではどのような違いがあるのでしょうか。

改正前

税制改正前では、相続税対策として自宅をリフォームする方法が有効でした。

相続税は所持している現金が対象になるため、相続が発生した時に現金があれば相続財の対象となりますが、生前にリフォームを行えば現金が減り、相続税額を減らすことが可能だったのです。

それほど広くない家であっても、キッチンやお風呂などの水回り工事や間取りの変更、増改築、配管工事などを行うと、リフォーム費用が1000万円を超えることも珍しくありません。
そのため、自宅のリフォームを行えば、まとまったお金を減らすことができ、相続税額も減ったというわけです。

家屋を相続する際、相続税の課税価格は固定資産税の評価額で計算します。

リフォームを行った場合、建物の評価額がどうなるか気になるところですが、この程度では家屋の評価額は変わらないケースがほとんどです。

固定資産税は3年に一度、評価替えされますが、建物の評価額が上がらないケースが多かったため、固定資産税の評価額もほとんど変わりませんでした。
そういったわけで、1000万円のリフォームを行えば単純に相続財産を1000万円減らしたことになり、結果的に節税対策ができたのです。

改正後

2013年の税制改正によって、相続税が増税となりました。
基礎控除額が変更され、以下の通りとなっています。

改正前 改定後
5000万円+(1000万円×法定相続人の数) 3000万円+(600万円×法定相続人の数)

改正後は、改正前より基礎控除額が2000万円減っています。
また、法定相続人比例控除額も1人あたり400万円減と、改正後は控除額が大幅に縮小されてしまいました。

たとえば5000万円のリフォームを行ったとしましょう。

改正前は、5000万円のリフォームを行うとその分が控除されていました。
しかし、改正後は3000万円しか基礎控除がないため、差額の2000万円分については基礎控除に含まれず、相続税がかかるようになってしまったのです。

したがって、改正後は、リフォームで現金を減らすことによる節税対策の効果が薄くなってしまいました。

リフォーム費用の資産計上

節税02

2013年、国税庁は「増改築に係る家屋の状況に応じた固定資産税評価額が付されていない家屋の評価」について質疑応答事例を公表し、リフォーム費用の一部を家屋の価額に加算して相続税評価をすることになりました。

つまり、リフォーム部分についても相続財産として評価することになったわけです。
その額は、リフォーム費用から償却費相当額を差し引いた価額の70%と定められました。

償却費を差し引くことはできますが、家屋の場合は耐用年数が長いため、1年あたりの減価償却費の額はそれほど多くありません。
自宅をリフォームした場合、リフォーム費用の70%で相続税評価を計算します。

たとえば、リフォーム費用が1000万円かかったとすると、相続税評価は1000万円×0.7=700万円になります。
多少の節税効果はありますが、1000万円のすべてが節税にはならないというわけです。

このことからも、リフォームによる相続税の節税は、以前に比べて効果が薄くなってしまいました。
しかも、リフォーム費用を相続税の課税価格に計上していないと、税務調査が入ると申告漏れを指摘される可能性も出てきました。

国税庁の財産評価基本通達では「その家屋に取り付けられ、その家屋と構造上一体となっているものについては、その家屋の価格に含めて評価する」となっています。
そのため、キッチンの交換やトイレを新しくするといったリフォームでは、固定資産税の評価額が上がることはありません。

しかし、建て替えや大規模リフォームの場合は注意が必要です。

税務調査で修正事項を指摘されると、修正申告をした税額に対して過少申告加算税が課税されてしまいます。
支払う税金が増えてしまうことにならないよう、リフォーム費用も忘れず相続税評価額に加えておきましょう。

節税効果のあるリフォームとは?

税制改正によって節税対策の効果が薄くなってしまったリフォームですが、効果がゼロになったというわけではありません。

では、相続税対策として効果的なリフォームを行うとしたら、どのようなことに注意すればよいのでしょうか?
そのポイントを挙げてみました。

床面積を変えない

相続税対策となるポイントは、「床面積を変えない」ということです。

増築などで床面積を増やすと固定資産税の評価額が上がってしまうため、相続税の評価額が高くなる可能性があります。
そこで、床面積はそのままで、内装を変えたり、室内の設備を交換するのであれば、固定資産税の評価額は変わらず、相続税の評価額もそのままとなります。

とはいえ、大がかりなリフォームをした場合でも、固定資産税の評価額はリフォーム費用の70%を加算した額になるので、現金で相続するより節税効果があるでしょう。

二世帯住宅に建て替える

「小規模宅地等の特例」により、二世帯住宅への建て替えは相続税対策の一つとなります。

小規模宅地等の特例では、被相続人と同居していた子どもが自宅を相続して住み続ける場合、自宅の土地は「特定居住用宅地」として330平方メートルまでの部分の評価額が80%減額されます。

二世帯住宅は、1つの建物に玄関を2つ設けるなどし、親世帯と子世帯がプライベートな空間を分けて暮らす住宅です。
二世帯住宅を「同居」とみなすかどうか、かつては判断が分かれていましたが、税制改正により、二世帯住宅にも特例が適用されるようになりました。

しかし、住宅内部が2戸の住宅として別々に登記されている「区分登記」になっていると、特例対象にならない可能性があります。

もし区分登記になっていると、特例の適用は被相続人(親)の居住部分だけになってしまいます。必ず親子が共有名義で登記する「共有登記」に変更しておきましょう。

賃貸併用住宅に建て替える

自宅の一部を貸し出す賃貸併用住宅に建て替える方法も、相続税対策として挙げられます。

自宅を子に相続させる際、別居している家族は「特定居住用宅地」の適用を受けられない場合があります。
しかし、賃貸併用住宅に建て替えれば、「特定居住用宅地」が適用されない土地でも、評価額を下げることができます。

さらに、リフォーム費用を使うことで、相続財産を減らす効果もあります。

賃貸併用住宅は、家賃収入が見込めることもメリットの一つです。
しかし、アパート経営を始めるには、さまざまなリスクがあることも考慮しましょう。

建て替え時の住宅ローンの返済や、空室が埋まらないリスク、住人トラブルへの対応など、管理人として対応しなくてはなりません。
目先の節税対策だけでなく、20〜30年先まで見据えた上で、慎重に判断しましょう。

被相続人名義で工事を契約する

リフォームによるさまざまな相続税対策をご紹介しましたが、いずれの場合も、リフォーム工事の契約は被相続人(親)の名義で行いましょう。

特に、子が請負契約の当事者になって工事代金を親に払ってもらうと、子に対して贈与税が課せられることになってしまいます。
工事は必ず親名義で行うよう注意が必要です。

まとめ

税制改正によって節税効果の薄くなったリフォームですが、全く効果がないわけではありません。

節税の方法はいくつかありますが、いずれも「相続税がいくら減らせるか」という計算だけでは不十分です。

相続・受贈する人の希望とマッチするかどうか、また、リフォーム以外にも節税できる方法がないか、幅広く比較・検討することが大切です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

遺品整理のお悩みやお困りごとは 遺品整理の専門家「遺品整理の七福神」へ!


HOME

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

CAPTCHA


遺品整理の七福神はこちら