タイヤの処分方法は? 粗大ごみに出せないタイヤの捨て方

タイヤの処分方法は? 粗大ごみに出せないタイヤの捨て方

アラスカ・シトカ市にあるエッジカム山。自然が豊富なシトカ市の中でも登山コースとして人気のスポットです。その姿が富士山に似ていることから「シトカ富士」とも呼ばれています。

エッジカム山は休火山なのですが、1974年、何と山頂から黒煙が上がっているのが見えました。ふもとに住む人々は「噴火する!」とパニックに。しかし、その日はエイプリルフール。ある人物が火口に古タイヤを運んで火を点けた大掛かりなイタズラだったのです。

大量に古タイヤが残ってしまったら、こんなイタズラにしか使い道がないのかもしれません。しかし、日本では富士山まで大量の古タイヤを運ぶのも大変なので、今回は古くなったタイヤの処分方法について見ていきましょう。

古タイヤ

タイヤは何ごみ?

タイヤを自治体のごみ回収に出すとしたら、何ごみに出しますか?
タイヤはゴム製なので可燃ごみ? それとも、大きいので粗大ごみでしょうか。

実は、ほとんどの自治体でタイヤは処理できず、「適正処理困難物」に指定されています。
各地のホームページを見ると、ほとんどの自治体で「収集できません。販売店か清掃事務所にご相談ください」となっています。

愛知県岡崎市、福井県福井市、山口県下関市など、粗大ごみとして出せる自治体もありますが、かなり少ないようです。
タイヤを処分したい場合は、基本的に自治体のごみに出す以外の方法を考える必要があることになります。

廃タイヤを処分する

では、いらなくなったタイヤを処分する方法を見ていきましょう。

車の販売店

車を買ったお店がわかれば、そのお店に相談してみましょう。引き取ってもらえることがあります。

車ディーラー


また、メーカー系の販売店や正規ディーラー以外に、いろいろなメーカーや車種を取り扱っている中古車販売店でも引き取りを行っているところがあります。

一般的な中古車販売店では良心的な価格で対応してくれるところもあるようなので、問い合わせてみましょう。

カー用品店

カー用品店では、自動車用品の販売だけでなく古いタイヤの引き取りも行っています。
価格は店舗によって異なりますが、おおむね1本あたり数百円程度で引き取ってもらえるようです。

タイヤについているアルミホイールを外す必要がある場合でも、カー用品店であれば作業中に店内で待つことができるのもメリットです。
まずは最寄りの店舗に問い合わせてみましょう。

ガソリンスタンド

ガソリンスタンドは、パンクした時や、急な降雪などでタイヤ交換をするので、古いタイヤも取り扱っていることがあります。

手数料はお店によって異なり、数百円程度から高額な処分料がかかるところまでさまざまです。また、チェーン店や同系列店でも店舗によって手数料が異なる場合があるようです。


ガソリンスタンドに引き取ってもらう場合は、事前に複数のお店で処分費を確認しておくとよいでしょう。

修理工場・整備工場

街の自動車修理工場や整備工場に持ち込んで処分してもらうという方法もあります。
手数料は各工場によって異なりますが、比較的安価で処分してもらえるようです。ただし、自分で持ち込む必要があります。

中古車販売

車検などで付き合いのある修理工場があれば、処分費用を聞いてみるのもいいですね。車検のついでなどタイミングがよければ、快く引き受けてもらえることが多いようです。

不用品回収業者

廃タイヤが大量にあったり状態が悪かったりして、自分で持ち込むのが難しい場合は、不用品回収業者を利用するとよいでしょう。不用品回収業者なら自宅まで回収に来てくれるので、持ち込む手間が省けます。また、引き取り日時の希望が通りやすいのもいいところです。

ただ、回収業者の場合、出張費や運搬費などの手数料がかかるため、カー用品店などに比べて引き取り料金が高額になる場合もあります。
こちらも、事前に複数の業者に問い合わせて比較するのがよいでしょう。

近年増えている不用品回収業者ですが、無料回収と宣伝しているにもかかわらず、実際は料金を請求される、不法投棄されるなどのトラブルも多発しています。山奥や河原などに、大量の廃タイヤなどが投棄されているような画像を見たことのある人も多いのではないでしょうか。不法投棄は、環境破壊や山火事の原因になるなど、多くの問題をはらんでいます。

タイヤ

このような問題を起こさないため、業者を選ぶ際は、買い取りや回収に必要な地域の「古物商許可」や「産業廃棄物収集運搬許可」を持っているかどうかを確認しましょう。

遺品整理業者

自分で持ち込めない場合は、遺品整理業者に依頼する方法もあります。遺品整理業者なら、部屋じゅうの遺品整理と同時に全てが片付くので、時間がない人や片付けを急ぐ人に向いています。

もし業者に遺品整理を依頼するのであれば、タイヤも引き取ってもらえるか確認してみましょう。もし業者で引き取りを行っていなくても、専門業者を紹介してもらえることもあります。

業者を選ぶ際には、地域の「古物商許可」や「産業廃棄物収集運搬許可」を持っているかどうかを確認しましょう。
また、業者によって料金が違うので、相見積もりを取って検討しましょう。

中古タイヤを売る

タイヤが、まだ使える状態であったり、新品のようにきれいであったりする場合、廃棄処分するのはもったいないかもしれません。買い取りに出すことを検討してみましょう。

タイヤ

たとえば、中古品買取業者には、一部のタイヤを買い取りの対象としているところがあります。ニーズのあるサイズや種類のものにはそれなりの価格がついたり、資源として価値のあるアルミホイールがついていれば比較的高く買い取ってもらえたりすることもあります。

買い取ってもらいやすいタイヤとは?

タイヤの買い取り相場は、状態のいいもので1本数千円ほどです。できるだけ高く買い取ってもらうため、査定前に表面のホコリや汚れをきれいにしておきましょう。

買い取ってもらいやすいタイヤの条件は、以下です。

未使用で、長期間、置かれていないもの

長期間、使われずに置いておかれたものは、ゴムの劣化によって買い取ってもらえないものがあります。
また、年式が新しく、しっかり溝が残っているものでないと買い取りは難しいでしょう。

有名メーカーのもの

ブリジストン、横浜タイヤ、ダンロップなど、有名メーカー、ブランドの製品は買い取ってもらえる可能性が高くなります。

セットになっているもの

2本、もしくは4本など、セットになっているものは買い取ってもらいやすくなります。

タイヤ

ホイール付きのもの

アルミホイールには資源としての価値があるため、ホイールが付いているものは買い取ってもらえる可能性が高くなります。専門店などでは、ホイールのないものは買い取ってもらえない場合もあるようです。

タイヤ専門店

タイヤやホイールを専門に取り扱うお店では、中古のタイヤを買い取ってくれるところがあります。買い取りはできない状態のものであっても、有料で引き取りや処分をしてもらえる場合もあるようです。

最近では、LINEなどを使い、事前に無料で査定するサービスを行っているところもあります。スマートフォンなどで売りたいタイヤの写真を撮り、LINEで送信するだけです。売れる状態かどうか、また、大まかな価格などがわかるので、無駄足を踏むことがありません。

中古販売業者

中古タイヤ販売業者やカー用品や中古車を取り扱っている業者では、中古タイヤの引き取りを行っているところもあります。
インターネットで受付をしている業者には全国対応しているところもあるので、検索してみるとよいでしょう。

こういった業者では、Web上で簡単に値段の査定ができる場合が多いので、活用するとよいでしょう。

リサイクルショップ

リサイクルショップ

リサイクルショップでは、古いタイヤの買い取りをしているところはほとんどないようです。中古を買うなら専門店を利用する人が多いこと、タイヤは劣化しやすいため、在庫を置くにはリスクが高いのが理由です。

ただし、未使用品や人気ブランドのものなど、条件によっては買い取っているところもあるので、確認してみましょう。

ネットオークション・フリマアプリ

ネットオークションやフリマアプリでは、タイヤをはじめとするカー用品が多く取り引きされています。その品物を欲しい人と直接やり取りできるため、思わぬ高額で売れる可能性もあります。

逆に、必ずしも売れるとは限らないこと、個人間でのトラブルや、梱包や配送の手間がかかるデメリットもあります。

まとめ

これまで、古タイヤは焼却処分されることがほとんどで、環境への影響が懸念されてきました。
しかし、昨年、自動車のタイヤを分解し、天然ゴムを効率よく取り出すのに利用できる可能性があるキノコが発見されました。リサイクルが進んでいない古タイヤの再資源化に役立つと期待されています。

今後、研究が進めば、古タイヤ市場ももっと活発になるかもしれません。個人の残した廃物がリサイクルできるようになるといいですね。

この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家

氏名:新家 喜夫

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。