トラブル

遺品を勝手に処分された!その時の対策法

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

遺品整理でよく聞くトラブルが「遺品を勝手に処分されてしまった」というものです。
知らないうちに親族が処分してしまったり、逆に自分が遺品整理の中で独断で処分してしまったり、また、遺品整理を依頼した業者に捨てられてしまった、というようなことがあるようです。
実は、遺品を勝手に処分するという行為は、のちのち大きなトラブルに発展し、最悪、裁判沙汰になってしまうケースもあります。
今回は、勝手に処分されてしまった遺品の例と、その対策について見ていきましょう。

遺品を捨てられ怒る男性

遺品はなぜ勝手に処分してはいけないの?

遺品整理をする業者

遺品を勝手に処分すると、どのようなことになるのでしょうか。
一般的常識から考えても当たり前のことではありますが、家族や親族などに黙って遺品を勝手に処分してはいけません。

遺品は、故人が遺した「遺産」です。
遺産は、相続の権利のある人(遺言書で相続を指定された人や、法定相続人)が、法律に従って正しく引き継がなくてはなりません。
そのため、相続が終わるまでは、資産を勝手に処分するわけにはいかないのです。

勝手に処分されてトラブルになる遺品は、主に「遺産」として金銭的価値、市場価値があるものです。
この、遺産として価値があるものは、その遺産を相続する権利のある人(相続人)全員で「遺産分割協議」を行い、分割の方法を決めなくてはなりません。
たとえば、現金・預貯金、株式・債券などの有価証券、土地・建物など不動産自動車・貴金属などが該当します。

こうしたものについては、相続人全員の間で話し合い、その結果を遺産分割協議書にまとめることが、民法によって定められています。

相続が発生したら(被相続人=故人が亡くなったら)、まず最初に被相続人が遺言書を残していないか確認します。
遺言書がある場合は、遺言の内容に沿って遺産を分配します。
このときに、もし遺言書にあるものが勝手に処分されていたら、遺言が実行されないことになってしまいます。

遺言がない場合は、故人の財産は、いったん相続人の共有状態になります。
そして、相続人全員による遺産分割協議を行い、財産をどのように分配するか決めることになります。
この時、故人が遺した財産を、すべて明確にする必要があります。
この時、遺品が勝手に処分されていると、遺産の一部が欠けてしまうことになります。
その上、もしも処分されてしまったものが高価なものや、遺産の中で大きなものだったりした場合、正しい遺産相続ができなくなってしまうのです。

たとえば、葬儀の代金を支払うために売却したとか、故人の生前、もらう口約束をしていたとしても、それは理由になりません。
それどころか、財産目的でわざとやったと見なされてしまうケースがほとんどです。
遺産分割協議の前に資産を処分することは、絶対にしないようにしましょう。

遺品の勝手な処分

遺品は、いったい、どのような理由によって勝手に処分されてしまうことになるのでしょうか。
遺品を勝手に処分してしまったという事例を見てみましょう。

親族や遺族による処分

遺品整理をする際、手伝った遺族や親族によって、遺品が処分されてしまうことがあります。
身内だという気軽さもあり、特に遺品整理の中心人物に確認を取らずに処分してしまうというケースがあるのです。

遺品整理の前に遠方に住む親戚がやってきて、大家から鍵を借りて部屋に入り、家探ししてめぼしい貴金属類を持っていってしまったというようなケースは少なくありません。
相続人にあたらなかった人が、少しでも遺品を回収して自分の物にしてしまおうと考えているわけです。
もし、自分たちで遺品整理をしていくことになった時には、信用できる人物に手伝ってもらうようにしましょう。

業者による処分

遺品を処分しようとする業者

乱立する遺品整理業者の中には、遺品整理に関する知識や経験不足の業者も存在します。
その結果、仕分けるべき品物を見誤り、大事な形見が捨てられてしまったという事例が出ています。
故人が愛用していた品物は、残された遺族にとって、故人の思い出が詰まった世界に2つとない品です。
ただでさえ、大切な家族を失った悲しみの渦中にあるのに、形見までもなくしてしまったら・・・。
そのショックははかり知れません。

悪質な遺品整理業者による処分

残念ながら、遺品整理業者の中には悪質な業者が存在し、片付け作業の最中に依頼主の目を盗み、財産価値のある遺品を勝手に持ち帰るという事例が起きています。
遺品の中から出てきた高価な品物を依頼主に知らせることなく持ち帰り、高値で転売するのです。
しかし、大量の遺品であふれている部屋では、ほとんどの場合気づかれません。
また、あとになって、あるはずの貴重品やお金などがないことに気づき、業者に確認しようとしてもすでに連絡がつかなくなっていた、というケースも起きています。

身内や親族が勝手に処分した場合の対応策は?

親族が勝手に遺品を処分して困っている人

遺品は、それを相続する権利がある人の所有物です。
そのため、それを勝手に処分された場合、相続する権利がある人に対する犯罪であるということになります。
つまり、民事と刑事の両方で処分してしまった相手を訴えることができる可能性があります。

損害賠償請求

「金銭的価値がある遺品」を勝手に持って行かれ、売却されてしまったというようなケースでは、その金額相当分の損害賠償を請求できます。
他人の物を勝手に売ったのですから、当然です。このとき、裁判にかかった費用なども併せて請求することができます。

慰謝料請求

遺品に金銭的価値がなくても、賠償を請求できる場合があります。
この場合は「精神的な苦痛」にあたるため、「慰謝料」を請求することになります。
とはいえ、実際に慰謝料を受け取ることは、基本的には難しいようです。
なぜなら、金銭的価値のないものには、慰謝料の相場というものが存在しないからです。
しかし、金銭的な価値がないものでも、処分した相手に対してアクションを起こすことはできます。
どうしても許せない場合には、このような手段を使うことができます。

器物損壊罪適用

勝手に処分された遺品が廃棄されてしまった場合、その遺品は「壊された」とみなされます。
そのため、刑事事件の「器物損壊罪」にあたり、訴えることができます。
また、民事の損害賠償とも並行して請求することができます。

遺品整理業者が勝手に処分した場合の対応策は?

遺品を勝手に処分されて泣く女性

信頼して任せたはずの遺品整理業者に大切な遺品を勝手に処分されてしまった・・・。
そんなとき、どのように対処すればよいのでしょうか。

業務上過失

業者が「処分は故意ではなく、ミスだった」と主張する可能性があります。
しかし、業者はプロであり、故意ではないにせよ、過失には違いありません。
このようなプロの過失については「業務上過失」という罪に問うことができます。
業務上過失は、「業務上過失致死」や「業務上過失傷害」という、死亡や負傷のイメージが強いですが、物損に対しても適用されます。

返還請求

貴金属など金銭的価値の高い遺品を勝手に売却されたという場合は、売却されたときから2年以内であれば、売却された店舗に対して返還請求が可能です。
まだその店舗に現物があれば、無償で返品してもらうことができます。
損害をこうむった店舗は、この損害を、遺品を売却した業者に対して請求することになります。

しかし、店舗に遺品がもうなかった場合は、返還は難しくなります。
1人くらいは追跡できたとしても、その遺品が誰かにプレゼントされてしまったり、さらにどこかに売却されたりしていたら、実際問題として追跡は不可能となります。
この場合は、遺品を売却した業者に対して損害賠償を請求することになります。

まとめ

故人が遺してくれた、大切な遺品。
一度、処分してしまえば、もう戻ってきません。
売却されたものも、すんなり戻ってくるのはまれです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

CAPTCHA


遺品整理の七福神はこちら